2010 Fiscal Year Annual Research Report
日英比較研究に基づくICTによる学校イノベーションモデルの開発
Project/Area Number |
22402002
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
野中 陽一 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (10243362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 龍也 玉川大学, 教育学研究科, 教授 (50247508)
木原 俊行 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40231287)
高橋 純 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (10310757)
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Keywords | 学校の情報化 / モデル化 / 日英比較 / イノベーション / 国際情報交換 |
Research Abstract |
英国調査を2回実施し、標準的な小学校2校、先進的な小学校1校を訪問し、複数の学級において、Numeracy、Literacyの授業を参観し、ビデオ記録した。さらに、校長等に学校の情報化の経緯と現状等について聞き取り調査を実施した。また、海外共同研究者のLovelessを交え、英国のICT活用状況の変化及び日英の相違について検討した。国内におけるICT活用の動向については、研究メンバー全員が日常の研究活動において関わっている小学校の状況を把握し、ICT導入・活用が授業等にどのように影響しているかを分析した他、小学校1校については、全員が訪問して授業を参観し、経緯を把握した上で、活用状況の変容について検討した。先行研究から、いくつかのICT導入に関わるイノベーションモデルを選択し、比較検討し、調査結果と合わせて考察した結果、以下のことが明らかになった。 (1)日英の授業スタイルは大きく異なるが、授業で日常的にICTが活用されるようになっても以前からの授業スタイルは大きく変化していない。 (2)英国においては、教材研究の段階でICTを活用することが定着し、既存コンテンツ等を電子黒板用のソフトウェアで編集して、年度を超えて継続的に活用している。また、校務の情報化が定着しており、特に評価情報の処理、活用によって教育改善が進んでいる。これらのことから、イノベーションが授業よりも授業設計の段階で起きていると解釈することができる。 (3)教室への教育的テクノロジー採用のモデル(Hooper & Rieber, 1995)等のICT導入に関わるイノベーションモデルにおいても、ICT活用の普及、定着の後に授業スタイルの変容の段階が位置づけられており、英国でもこの段階に到達していないことから、日本のモデルを検討する場合、普及、定着までの段階に焦点を当てたモデルを検討する必要がある。
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