2013 Fiscal Year Annual Research Report
西欧の素人裁判官による陪参審制度評価の調査――市民の司法参加の正統性基盤――
Project/Area Number |
22402010
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尾崎 一郎 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (00233510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕 神戸大学, 大学院法学研究科, 教授 (40282587)
池田 公博 神戸大学, 大学院法学研究科, 准教授 (70302643)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 陪審 / 裁判員 / 司法制度改革 / ベルギー / 素人裁判官 / 市民参加 / フランス / ドイツ |
Research Abstract |
最終年度として研究成果のとりまとめの作業に着手し、国内で研究打ち合わせを行った。すなわち、ルーヴェン大学のVanoverbeke教授も交えて、8月4、5日に九州大学で、12月26日に神戸大学で、2010、11、12年度調査の成果の集約と理論枠組みの再検討を行った。ベルギー、ドイツ、フランスで共通して見られた深いレベルでの司法への市民参加の正統性(自明性)の意識と、それとは一見矛盾するかのような法曹界内外からの陪審・参審制批判ないし周縁化圧力との関係をどのように理論的に把握することができるかが中心的な論点となった。暫定的な結論としては、歴史的に一定の定着を見ている制度の正統性については、根源的で非自省的なそれと、機能主義的で自省的なそれとの、次元の異なる二重の正統性が存在し、いわゆる素人裁判官の直感的で非法的な判定という市民の司法参加の基本前提が、当該二重性(における相互矛盾)の不安定性を炙りだしているらしいことが分かった。このような理解は、ベルギーの陪審員に対するアンケートで明らかになった、多少なりとも葛藤を抱えて法廷に赴き、一連の審理を経て司法への新たなコミットメント意識を抱くようになるという、陪審員経験者の典型的な心理過程とも平仄が合う。 こうした見解をふまえつつ、2014年1月に高橋がイギリス(ロンドン)で、2014年3月に尾崎がベルギー(ブリュッセル)で、補足調査を行った。尾崎はルーヴェン大学で3月21日に開催されたワークショップ(Changing Civil Society and Governance: Perspectives from Europe and Japan)にも参加した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)