Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守島 基博 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (60230116)
馬 駿 富山大学, 経済学部, 教授 (00303206)
徳丸 宜穂 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00387656)
西野 史子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 准教授 (40386652)
ユン ヤンジュン 名古屋商科大学, 経営学部, 講師 (50585213)
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Research Abstract |
日本・韓国・中国企業の事例研究とアンケート調査に基づいて,以下の3つの事実を発見した. (1)事例研究からは,携帯電話,液晶テレビ,情報システムのいずれの場合でも製品アーキテクチャを企業が戦略的に選択していた.各社とも,蓄積された技術的・人材的能力の水準や製品市場の状況に応じてインテグラル型とモジュラー型を意識的に選択している.また,アンケート調査からも,中国のモジュラー志向が強いことが明らかになった一方で,3カ国で,同一業種や同一企業規模であっても,モジュラー寄りとインテグラル寄りに企業は散らばっており,ある製品アーキテクチャが支配的ということはないことが確認された. (2)事例研究からは,モジュラー型アーキテクチャの色彩の濃い情報システムの場合には機能部門型の開発がなされ,インテグラル型の要素の強い携帯電話機や液晶テレビの場合には,機能部門横断型プロジェクト組織で開発がなされることが明らかになった.また,インテグラル性が高いほど,プロジェクトマネージャーの権限は強くなる(重量級PMが存在する)ことも判明した.アンケート調査からは,インテグラル型製品アーキテクチャと機能部門横断的なプロジェクト組織モジュラー型製品アーキテクチャと機能部門組織との補完関係が日本と中国に関して確認された.しかし,韓国ではそうした関係が確認できなかった. (3)事例研究でもアンケート調査でも,製品アーキテクチャと人材マネジメントとは,日本で「インテグラル型=内部育成重視・長期的視点の能力開発・インセンティブ付与」,中国で「モジュラー型=中途採用重視・短期的視点からのインセンティブ付与」という補完関係が確認できた.しかし,他方,韓国企業ではそうした対応関係が希薄であった. なお,台湾に関しては企業の協力が得られなかったために,調査を保留した.
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