2011 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア企業の製品アーキテクチャと知識人材マネジメントとの関係に関する比較分析
Project/Area Number |
22402020
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
都留 康 一橋大学, 経済研究所, 教授 (00155441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守島 基博 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (60230116)
馬 駿 富山大学, 経済学部, 教授 (00303206)
徳丸 宜穂 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00387656)
西野 史子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 准教授 (40386652)
ユン ヤンジュン 名古屋商科大学, 経営学部, 講師 (50585213)
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Keywords | 製品開発組織 / 製品アーキテクチャ / 人材マネジメント / 開発パフォーマンス / エンジニア |
Research Abstract |
この研究の目的は,世界の製品開発拠点に成長しつつある中国,台湾および韓国の電機・電子・情報関連企業に焦点を絞り,日本企業との比較を通じて,製品アーキテクチャと開発組織・人材管理との間の補完関係,およびそれが製品開発成果に与える影響を国際比較することである.韓国企業,中国企業は,これまで日本の独擅場であった製品開発の分野でも日本企業に迫りつつあり,今や「世界の工場」から「世界の開発拠点」へと進化を遂げつつある.平成23年度の研究では,平成22年度に実施した日中韓を代表的するリーディング企業への聞き取り調査の結果分析ならびに3力国374社に対するアンケート調査の結果分析をさらに深め,製品アーキテクチャと人材マネジメントとの補完関係を以下のように明らかにした.第1に,製品アーキテクチャと人材マネジメントとの組み合わせに関しては,日本においては製品アーキテクチャと人材マネジメントとが適切な組み合わせにあるとき開発パフォーマンスを有意に高まるという結果が得られた.しかし,韓国と中国ではそうした統計的有意性は確認できなかった.第2に,開発パフォーマンスと製品アーキテクチャ・人材マネジメントの組み合せとの間に線形の関係があることを仮定せずに,組み合せ指数の区間内でどのような効果を非線形的にもつかをみると,日本でも韓国でも,ベストの組み合わせに近づくにつれて,逓増的に開発パフォーマンスが高まることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画調書で記述した平成23年度の研究計画を着実に実行したのみならず,平成24年度の研究計画の内容の一部,たとえば,「アンケート調査結果の計量経済分析を含むディスカッション・ペーパーの刊行」などを先取り的に行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の最大の目標は,事例研究と計量経済分析をさらに深めた研究書の刊行にある.このために,以下のことを行う.第1に,事例研究の対象別や計量分析を1章とする論文を7本作成する.そして,相互に査読を行い,コメントを踏まえて改訂する.第2に,全体を要約する論文を英語で作成して,Society of Labor Economists(米校労働経済学会,シカゴ)年次大会で報告してコメントを得て,国際的水準に耐えうる論文に彫琢する.しかる後に,都留・守島を編著者とする学術研究書『世界の工場から世界の開発拠点へ:製品開発と人材マネジメントの日中韓比較』を刊行する.
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Research Products
(13 results)