2010 Fiscal Year Annual Research Report
韓国の産業技術革新における日本人エンジニアの役割に関する研究
Project/Area Number |
22402025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深川 博史 九州大学, 経済学研究院, 教授 (30199153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 英美 熊本大学, 法学部, 准教授 (80404078)
清水 一史 九州大学, 経済学研究院, 教授 (80271625)
久野 国夫 九州大学, 経済学研究院, 教授 (90136416)
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Keywords | 韓国 / 産業技術革新 / 日本人エンジニア |
Research Abstract |
本年度の課題は、在韓日本人エンジニアからのインタビューに加えて、韓国側からの、日本人エンジニアの評価を調査することであった。韓国側からのインタビューについては、技術分野に詳しい専門家からのインタビューを複数件行い、詳細な情報を得た。また、在韓日本人エンジニアについても、従来にはないタイプのエンジニアに遭遇し、技術貢献について、詳細なインタビューを行った。 先ず、韓国側からの、在韓日本人エンジニアの評価については、S社の技術専門家に面談し、韓国の知的財産管理の概況や、日本人エンジニアの在籍概況、インタビューの難易度などについて、ヒアリングを行った。次に、Pテクノパークを訪問し、技術者との面談を行った。 日本人エンジニアについては、釜山日本人会経済部会、韓国タセト、T電子、T工業、の技術エンジニア等との面談の機会を得た。とくにT電子については、韓国滞在15年を超える日本人エンジニアの方に2度のインタビューを行った。T電子の日本人エンジニアは、韓国の方と結婚し、日本の様々な技術を、韓国に導入し、また、創意工夫の分野についても、韓国の若手技術者の訓練を精力的に進めていた。大企業ではなく、T電子のような、韓国の中小技術メーカーレベルにおいて、このような日本人エンジニアが、活躍されていたことは、驚きであった。 日本に比べて韓国は、中小技術メーカーの裾野の広がりが不十分で、そのことが技術の受容力や、技術発展の障害になっていると言われることがある。しかし、T電子の日本人エンジニアによれば、韓国の若手技術者は、日本の技術者を上回るポテンシャルを有し、また、中小メーカーの技術力も底上げが進みつつあるとのことであった。このような内容を含めて、次年度は、より掘り下げたインタビュー調査を行う予定である。
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