2011 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルハイブリッド経営に向けた環境適合型リーダーシップ学習モデルの構築
Project/Area Number |
22402029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
BENTON Caroline 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (50520897)
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Keywords | リーダーシップ / コンビテンシー / メタ認知理論 / 学習 |
Research Abstract |
「研究の目的」 本課題では、社会文化的な背景や、マネジメント形式が異なる国・地域において、グローバル企業が現地社会との円滑かつ互恵的な事業展開を導入するための環境適合型リーダーシップ行動の選択学習メカニズムについて研究する。本研究の目的は、「メタ認知理論」を援用し、グローバルな視座と現地法人の経営特性を相互補完する「ハイブリッド経営」に必要なグローバル・リーダーシップを自己学習するモデルを構築することである。本研究による経営行動の学習メカニズム分析を通して、ボーダーレスに活躍できる次世代型グローバル・リーダーシップ能力の育成に寄与することが期待される。 「研究実施計画」 平成23年度は、22年度で実施したパイロット(インタビュー)調査の結果を踏まえ、海外での訂正調査の準備のため、海外研究者を招いて、トルコでコンファレンスを開いた。これら海外研究者の協力を得て9月から12月の間、ヨーロッパ・アジアの11カ国でグローバル・ビジネスのリーダーを対象としたリーダーシップ・コンビテンシーに関するWEB調査を実施した。(対象国:中国、台湾、インドネシア、韓国、フランス、ドイツ、ノルウェー、ロシア、トルコ、UK、日本)。 研究の実績を公表に関しては、24年5月に米国コロラド州で開催される世界最大の人的資源のトレーニングと開発の国際会議(American Society for Training & Development)でパネル・ディスカッションを開催する。また、同年6月には、筑波大学の東京キャンパスにて、ビジネス・パーソン向けのグローバル・リーダーシップ開発のシンポジウムを主催する(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会と共同開催)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
海外研究者の協力もえて、WEB調査を当初予定していた24年度でなく、23年度で実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度はこのWEB調査のデータを分析し、その結果を基にグローバル・リーダーシップの諸コンビテンシーの効果を計るシミュレーション・ツールを構築する。また、リーダーシップに関する国別特徴を明らかにするため、国際比較分析を行う。 調査データは定量分析のみならず、調査回答者の自由記入に基づく回答を活用し、定量データと定性データ(テキスト・マイニング)を組み合わせ、相互補完するMixed Research Methodによるデータ解析を行う。これにより、従来の独立した定量、定性の仕切りを取り除き、分析結果の妥当性を確認するとともに総合的な解釈に役立てる。これにより、グローバル・ハイブリッド経営に向けた環境適合型リーダーシップ行動の選択学習モデルに求められる動的特性を検証する。さらに、24年度は調査結果の信頼性を向上するため、11カ国の内、調査の回答が比較的少なかった国での追加調査を行う。 研究の実績を公表に関しては、今年5月に米国コロラド州で開催される世界最大の人的資源のトレーニングと開発の国際会議(American Society for Training & Development)でパネル・ディスカッションを開催する。また、6月には、筑波大学の東京キャンパスにて、ビジネス・パーソン向けのグローバル・リーダーシップ開発のシンポジウムを主催する(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会と共同開催)。上記の分析結果およびコロラド州でのパネル・ディスカッションと東京でのシンポジウムで得たコメント内容を検討し、研究プロジェクトチーム内で、リーダーシップ行動の学習メカニズムを研究し、その後の研究活動の準備を行う。
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