2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者と地域を結び付ける新しい試みの国際比較 ―福祉と一体化した縁側サービス―
Project/Area Number |
22402046
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Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
隼田 尚彦 北海道情報大学, 情報メディア学部, 准教授 (40301014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 めぐみ 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (40433130)
福田 菜々 北海道工業大学, 未来デザイン学部, 講師 (70554731)
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Keywords | 社会福祉関係 / コミュニティ / 高齢者 / 縁側サービス / 国際比較 / QOL / 国際研究者交流 / アメリカ:台湾 |
Research Abstract |
本調査研究の目的は,高齢者と地域及び福祉施設を繋ぐ「縁側サービス」を日本の先進事例と諸外国の事例を国際比較し,よりよい福祉援助やサービスを提供しうる福祉コミュニティの可能性について考察することである。そこで,本調査研究対象となる「介護保険制度を持たない諸外国における地域コミュニティの力を活用したり,地域コミュニティとの結びつきを強化しようとする施設等や実際に試みられている事例」を調査するために,米国・台湾の調査対象地の現地調査および現地研究協力者との研究討論を行った。また,日本側の比較対象事例としてあらたに京都の高齢者総合福祉施設「ももやま」を追加し,予備的な調査を行った。一方で,研究協力者からの報告で,瀋陽の調査対象事例が,諸般の事情から本研究の調査対象要件を満たさなくなったことが明らかになった。 今年度の調査では,各調査対象地のスタッフや利用者へのインタビューを行い,調査対象である米台の組織やコミュニティの抱える問題点が幾つか明らかとなった。また,台湾の現地研究協力者との研究討論の結果,台南YMCAが新たな縁側サービスを模索することになり,9月に訪日され,日本側の比較対象施設の視察を行った。この取り組みについては,次年度の調査で,明らかにしていく予定である。 結果の一部をEDRA42(平成23年5月開催)、日本建築学会の北海道支部研究会(平成23年7月開催)と福祉のまちづくり学会(平成23年8月開催)での発表を行い、併せて,日本側調査対象の調査結果を日本建築学会計画系論文集へ投稿論文として提出した(現在、査読中)。また,老年社会科学への投稿を計画中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載したアメリカおよび台湾での調査・研究討論は,予定通り順調に完了できた。また,学会発表も予定通り行うことができた。ただし,文献調査と予備調査の結果から仮説を構築することを目的とした投稿論文が,査読者の見解と一致することができず不採用となったため,現在,追加データを加えて,別の論文誌への投稿を計画中である。一方で,本調査対象との比較対象事例に関する調査結果を査読論文として別途提出したため,概ね,研究計画通りに進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要にも述べたが,24年度に計画していた中国瀋陽での調査が行えなくなってしまった。理由は,中国の高齢者福祉政策や環境の変化から調査対象施設の運営方針が変わり,縁側サービスの展開を断念したことによる。また,中国では,民間施設以外の外国人による調査が許されていないので,調査対象候補はあったが,計画遂行を断念せざるを得なかった。 一方で,前述の通り,台南YMCAが積極的な縁側サービスの展開を計画しており,台湾の研究協力者である研究者や実践者達が日本の縁側サービス先進事例を視察に訪れ,双方の共通理解やコミュニケーションが非常に良好である。そこで,既に行っているサービスの調査と併せて,24年度に調査を行うこととした。
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Research Products
(5 results)