2010 Fiscal Year Annual Research Report
MOA II 1.8m望遠鏡によるマイクロレンズ事象の探索
Project/Area Number |
22403003
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 文雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (80184224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (80202323)
大西 浩次 長野工業高等専門学校, 一般科, 教授 (20290744)
斎藤 敏治 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科・教授, 教授 (40259833)
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Keywords | 宇宙物理 / 光学赤外線天文学 / 惑星起源・進化 |
Research Abstract |
ニュージーランド・マウントジョン天文台に設置した1.8m望遠鏡と大型CCDカメラによる観測はほぼ予定通り実施した。マイクロレンズ事象や、惑星候補事象をリアルタイムで発見しタイムリーな観測を行うためのリアルタイム解析も順調に実施された。その結果、銀河中心方向に607個のマイクロレンズ事象を発見し、アラートを発信した。これらの事象を、追尾観測網と協力して観測した結果、4個の惑星候補を発見した。現在、詳細な解析を行いつつある。また、過去のデータの解析から、MOA-2009-BLG-319に土星より軽い惑星を発見した。こうした惑星のデータから惑星の分布を求めるため、シミュレーションを行い、検出効率を計算しつつある。タイムスケールの小さな事象の解析からは、木星質量の浮遊惑星が星の数と同程度存在することが判明した。副産物としては、トランジット惑星OGLE-TR-10bの解析を行いTTV(Transit Timing Variations)法によるもう一つの惑星探索を行い、また連星事象の解析を行い、連星の分布を求めつつある。マゼラン雲のデータ解析も進み、4個の事象候補を発見した。今後さらに解析を進め、ダークマターに含まれるバリオンの割合等を算出する。 新たな可能性として、重力マイクロレンズによるワームホール探索の可能性を検討した。その結果、この方法によるワームホールの探索が可能であることがわかった。また、将来の遠隔観測に備えて、全天カメラ等のモニターを強化した。 これらの研究成果は、マイクロレンズ国際会議や学会等で発表するとともに、まとまったものから順次学術雑誌に論文として公表している。
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