2011 Fiscal Year Annual Research Report
小型無人飛行機による南極ブランスフィールド海盆の空中磁気観測と海盆形成メカニズム
Project/Area Number |
22403006
|
Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
船木 實 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (10132713)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東野 伸一郎 九州大学, 工学系研究院, 准教授 (40243901)
坂中 伸也 秋田大学, 工学資源学部, 助教 (20323131)
岩田 尚能 山形大学, 理学部, 講師 (70302289)
中村 教博 東北大学, 理学系研究科, 准教授 (80302248)
|
Keywords | 無人飛行機 / Ant-Plane / 空中磁気 / 磁気異常 / St.Kliment基地 / Deception島 / King Sejong基地 / Livingston島 |
Research Abstract |
南極Livingston島にあるブルガリア南極基地(St.Kliment)とKing George島の韓国の南極基地(King Sejong)で空中磁気観測を行った。調査に先立ち船木はブルガリア南極研究所(ソフィア市)を訪れ、St.Kliment基地での観測の承諾を得た。船木、東野、それに研究協力者2名は12月4日にSt.Kliment基地に入った。悪天候のもとで無人機Ant-Plane6-3と3-5号機の組み立てと地上試験を行い、天候の回復を待った。12月17日から18日にかけて天候が回復し、3-3号機でSt.Kliment基地のあるSouth Bayでの画像撮影と空中磁気観測を、また6-3号機でDecption島の空中磁気観測と画像撮影を行った。South Bayの観測では高度370m、時速100km/hで1時間飛行させ、良好な氷河地形のビデオ画像を得ることができた。しかし、飛行中に磁力計のトラブルが発生し、磁気データは得られなかった。6-3号機は高度800mで308km飛行し、Deceptoin島北半分の磁気データと画像データを得た。磁気データは地質や地形構造に起因する磁気異常を明らかにし、周辺海域の磁気異常図の空白地域を埋めることができた。また画像データはDeception島の氷河地形を明らかにした。6-3号機の3時間38分の自動飛行は、無人機が南極の地平線を超えて行った最初の科学観測となり、南極観測での無人機の有用性を実証できた。King Sejong基地ではAnt-Plane6-3号機によるBransfield海峡の磁気観測を試みたが、天候の急変で機体が行方不明になった。同基地では昨年度に引き続き徒歩による磁気観測も行った。 国内ではDeception島とKing Sejong基地周辺の磁気異常図の作成、それにH22年度採集の岩石試料について、帯磁率異方性と岩石年代の測定を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Deception島の空中磁気観測に成功した。しかし、天候悪化で機体1機を失った。南極で初めて地平線を超えて無人機が科学観測を行った。H22年度に採集した岩石や磁気データから磁気異常の原因が岩石の帯磁率異方性で説明できることが明らかになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度で南極での調査は終了した。H24年度は本研究成果の取りまとめ、国内外の学会等での発表主に行う計画である。
|
Research Products
(5 results)