2010 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動によるアジアの脆弱な水供給システムへの影響評価手法の確立
Project/Area Number |
22404012
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Section | 海外学術 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
滝沢 智 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10206914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 久美子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00361527)
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Keywords | 気候変動 / 脆弱性評価 / 水供給システム / アジア / 水質汚染 |
Research Abstract |
本研究では日本を含むアジアの研究対象地域において、水供給システムの脆弱性を評価するため、水源、浄水処理、給配水の脆弱性要因に基づいた脆弱性評価指標を作成することを目的とし、本年度は特にベトナムのハノイ地域を対象に以下の項目についての調査を行った。調査方法は、現地でのアンケート調査および水質調査により、水供給システムの現状と課題を把握した。その結果、以下の結果が得られた。 1)水源の脆弱性:地下水、表流水、雨水などの複数の水源を利用しているが、これは水道システムが未普及であるか、あるいは水量・水圧が十分でなく、需要を満たしていないためである。地下水は、鉄、アンモニア、有機物、砒素などに汚染されており、これらの汚染物質の除去が十分でない水供給システムも見られた。 2)浄水処理の脆弱性:特に、集落単位で管理をしている水道施設の運転管理が十分でなく、施設の老朽化や、不適切な維持管理により、処理水質が低下していることが確認された。これに対して、住民からは多くの不満が寄せされている。さらに、家庭では雨水、地下水などを利用しているが、無処理での利用や、砂ろ過などが多く用いられているが、その維持管理も十分でなく、砂の洗浄や交換はほとんど行われていないか、年に一度程度の頻度であった。 3)給配水システムの脆弱性:PVC給水管により露出配管されていることから、直射日光を受けた場合の紫外線による劣化が懸念された。また、露出配管であることから、工事や交通による破損事故が懸念された。
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Research Products
(3 results)