2010 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアの金採掘が盛んな地域における水銀汚染の実態調査
Project/Area Number |
22404013
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
井上 隆信 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00184755)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永淵 修 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (30383483)
川上 智規 富山県立大学, 工学部, 教授 (10249146)
横田 久里子 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60383486)
|
Keywords | 水銀 / インドネシア / 水質汚濁 / 大気汚染 |
Research Abstract |
インドネシアにおける金採掘が盛んな地域のうち、アチェ州チャランジャ地区(2010年7月29-30日)、ブンクル州ラボン地区(2011年3月6-8日)、西カリマンタン州ガバン地区(2011年3月11-12日)、北スラウェジ州タラワン地区とボランマンゴンドウ地区(2011年10月31日-11月2日)、中央スラウェジ州ポボヤ地区(2010年8月2-4日、10月28-29日)において、河川、河川底質、大気等の水銀汚染の実態調査をそれぞれの現地大学と共同で実施した。分析が終了しているアチェ州チャランジャ地区、北スラウェジ州タラワン地区、中央スラウェジ州ポボヤ地区の水銀濃度は、河川水で9-45ng/L、2-222ng/L、27-333ng/L、河川底質で0.04-0.25mg/kg、0.01-3.23mg/kg、0.04-0.56mg/kg、大気で、ND-1470ng/m^3、23-2590ng/m^3、ND-47200ng/m^3であった。北スラウェジ州ボランマンゴンドウ地区は、河川水が25-663ng/L、河川底質が0.15-1.75ng/Lであった。北スラウェジ州及び中央スラウェジ州で金精錬が行われている中心地区で高い値が検出されたが、河川水は日本の環境基準以下であった。中央スラウェジ州では金精錬現場と市街地が近接しており、大気中の濃度が高いことから健康被害が懸念される状況であった。また、ブンクル州では、金の精錬時に使用した高濃度の水銀を含んだ排水が水田の灌漑水として利用されていることから米への蓄積が考えられた。 また、これらの調査時に、要請のあったアチェ州の国立シャクアラ大学、ブンクル州の国立ブンクル大学において、インドネシアにおける水銀汚染の実態と健康影響に関する特別講義を行ったが、水銀汚染に関する関心が高かった。
|