2012 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアの金採掘が盛んな地域における水銀汚染の実態調査
Project/Area Number |
22404013
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
井上 隆信 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00184755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 智規 富山県立大学, 工学部, 教授 (10249146)
永淵 修 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (30383483)
横田 久里子 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60383486)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / インドネシア / 水銀汚染 / 小規模金採掘 / 水質汚染 / 大気汚染 |
Research Abstract |
昨年度までに調査を実施した地域の中で、大気や環境水中の水銀濃度が高かった中央スラウェシ州Palu市について再度調査を実施するとともに、南東スラウェシ州において調査を実施した。 環境水中の水銀濃度に関して、南東スラウェシ州では7ppb程度と日本の環境基準の0.5ppbと比べても高濃度の河川の存在が明らかになった。Palu市の金採掘現場下流の河川では0.2ppb程度の濃度であり、これらが流入するPalu湾の魚中の水銀濃度は、最高値が0.22mg/kg、分析した3種類21個体中2個体で0.2mg/kg以上であった。EPAの摂食の目安が0.3mg/kgであり、これよりは低いものの湾内へ水銀が蓄積されている現状から考えて懸念される状況であった。 大気中Hg(0)濃度に関しては、Palu市において水銀連続モニターを設置し水銀濃度の経時変化を調べた。またパッシブサンプラーとアクティブサンプラーを併用することにより、水銀の空間分布も把握した。次に流体解析ソフトウエアPhoenicsを使用し水銀の拡散シミュレーションを行うことによって、経時変化と空間分布とを再現した。その結果、シミュレーションでは、現地の大気中の水銀濃度に関して経時変化ならびに空間分布ともに実測値を再現することができた。このシミュレーション結果から水銀放出量を求めると、Palu市では年間約53トンもの水銀が大気中へ放出されていると推定された。 水銀使用量は金採取のプロセスによって異なり、中央カリマンタン州などで用いられている川底などの泥をポンプで吸い上げて、荒い目の布上に砂金を捕集する方法よりは、中央スラウェシ州などで用いられているゴロンドンと呼ばれる回転ドラムを用い、金鉱石全量に水銀を添加して金を抽出するプロセスで水銀使用量が多いことがわかり、これらの方法を用いている同地区で河川や大気中の水銀濃度も高くなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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