2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規低温生物工学プロセスの確立を目指した低温特殊環境微生物の探索
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22404021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (70243087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 純 京都大学, 化学研究所, 助教 (90511238)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 特殊環境微生物 / 低温菌 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / オーストリア |
Research Abstract |
(1) オーストリアの高山地帯から採取したサンプルについて、低温で生育する微生物のスクリーニングを行った。その結果、インスブルック付近のシャウフェルシュピッツェ 2900 m 地点の氷河から採取したサンプルから 4℃で良好に生育する 2 種類の微生物が得られた。16S rRNA の塩基配列解析の結果、Janthinobacterium lividum および Cryobacterium psychrotolerans と同定された。 (2) 南極海水由来で 0℃付近の低温で良好に生育する Shewanella livingstonensis Ac10 を低温環境での環境汚染金属除去や有用金属回収に利用することを目指し、本菌の金属代謝に関与するタンパク質の機能解析を行った。本菌の野生株が嫌気条件下で三価鉄(クエン酸鉄)や三価コバルト(コバルトアセチルアセトネート)を電子受容体として生育し、これらを還元するのに対し、クエン酸鉄誘導性タンパク質として同定された PhoE の遺伝子欠損株がこれらを還元しないことが見いだされた。本欠損株にプラスミドを用いて PhoE 遺伝子を導入すると還元能が回復したことから、本菌による三価鉄や三価コバルトの還元に PhoE が関与するものと考えられた。 (3) 好冷性細菌 S. livingstonensis Ac10 は 0℃付近の低温環境において、健康補助食品などとして注目されるエイコサペンタエン酸 (EPA) を生産する。本菌の EPA 生合成遺伝子群の EPA 生産への応用に向けて、EPA 生合成を担う 5 つの遺伝子にコードされるタンパク質の特性を解析した。その結果、これらのうち Orf5 と Orf6 が複合体を形成していることが示され、複数のタンパク質が関与する生合成反応が複合体形成によって効率よく進行していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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