2012 Fiscal Year Annual Research Report
インドシナ地域における高毒性およびジェネリック農薬の利用実態と潜在的リスクの評価
Project/Area Number |
22405021
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤松 美紀 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70183134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 正弘 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (80324664)
田中 樹 総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (10231408)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | タイ / ベトナム / ジェネリック農薬 / 残留農薬 / 環境 / リスク評価 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
タイやベトナムなどインドシナ地域では、急速な経済発展のもと食や暮らしの安全が脅かされている.本研究の目的は,タイ,ベトナムのインドシナ地域において,高毒性農薬やジェネリック農薬の利用実態を把握し,問題となる農薬の環境における動態(分解など)を明らかにし,その結果および安全性情報に基づいてそれらのヒト,環境,他の生業(養殖業など)に対するリスクを正当に評価することである. 本年度は,ベトナム中部フエ省における,海岸近くで主に米を栽培しているコミューンと山側で野菜を栽培しているコミューンの2箇所の農家の詳細な聞き取り調査を継続した.調査の結果,前年度まではあまり使用されていなかった農薬emamectin benzoateが,特に海岸近くの水田で使用されていることがわかった.また,畑土の土性と残留農薬との関係を見るため,前年度とは異なる畑からも土壌を採取し,それらの土壌および前年度と同地域の土壌中の,これまでから使用されている農薬に加えemamectin benzoateの残留分析を行った。今回はほとんど残留農薬が検出されなかったが,総合してみると土性との関係はあると思われた. タイの農業省、「食品と農産物に対する研究センター」を訪問し、再登録された農薬の状況について情報を得た。平成23年8月の再登録制度開始後,平成24年10月で約1,700項目(全農薬の約半数)の農薬登録が終了したとのことだった.また,前年度に引き続き,ターチン川流域の水田および畑土中の残留農薬分析を行ったところ,前年度問題となった使用禁止農薬は検出されなかった. 結論として,残留性が問題となる高毒性農薬は特定されなかったが,聞き取り調査を通して農夫の農薬に対する知識の欠如が農薬のリスクを考える上で大きな問題であることが明らかとなった.農夫の教育について,地域を含めた議論を行うことが課題である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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