2010 Fiscal Year Annual Research Report
凍土深の変動が森林炭素蓄積量と林床構造・機能に及ぼす影響の評価
Project/Area Number |
22405027
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
松浦 陽次郎 独立行政法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 室長 (20353857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶本 卓也 独立行政法人森林総合研究所, 植物生態研究領域, 室長 (70353638)
大澤 晃 京都大学, 農学研究科, 教授 (90288647)
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Keywords | 永久凍土 / 北方林生態系 / 現存量(炭素)蓄積 / 凍土深変動 / 蘚苔地衣類 / 林床堆積腐植 |
Research Abstract |
2010年度の各研究対象地域における、研究内容と研究実績は以下のとおりである。 1)カナダ北西準州:北緯68度-西経133度のマッケンジー川河口部のトウヒ林で調査した。この地域はトウヒ林では世界で唯一の連続永久凍土分布域に属し、ツンドラ植生との境界でもある。凍土面の浅い所ではツンドラ植生となり、凍土面の深い微高地にはトウヒ林が成立していたことから、凍土面深度が植生タイプに影響するといえる。 2)アラスカ内陸部:北向き斜面に分布する凍土面の深さは斜面上部ほど深く、凍土面深度が深いほど現存量蓄積の大きい林分となっていて、トウヒ林の現存量と密接な関係があった。また地上部と地下部に蓄積する現存量の比率を推定したところ、地下部への蓄積割合が高かった。これらの成果は、木本植物の根系と北極環境研究に関する国際シンポジウムで発表した。 3)中央シベリア:ロシア側から送付された招請状が不達となり、現地調査のための入域許可申請ができなかった。そのため、これまでに行われた林床植生タイプと土壌呼吸速度の関係を解析した。乾湿の環境傾度によって蘚類優占型の林床から地衣類優占型の林床にタイプ区分できること、湿性環境の林床は地温が低く土壌呼吸速度が低いことなどが明らかになった。これらの成果は第19回国際土壌学会議で発表した。
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Research Products
(3 results)