2012 Fiscal Year Annual Research Report
赤道南北に広がる熱帯モンスーンの環境比較から読み解く魚類の測季システム
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22405029
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Section | 海外学術 |
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
竹村 明洋 琉球大学, 理学部, 教授 (40222103)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | サンゴ礁 / アイゴ / モンスーン / 年周期 / 環境 / フィリッピン / インドネシア |
Research Abstract |
本研究の目的は、熱帯サンゴ礁起源の魚類が繁殖の同期に利用している環境要因の特定とその内的伝達機構を明らかにすることであった。平成24年度においては、前年度まで行ってきた国内実験の結果も考慮しつつ、研究対象魚類の生殖活動に環境要因(表面海水温、降雨量、光周期)がどのように関わっているのかを中心に調査を進めた。得られた結果は以下の通りである。 フィリッピンタバコ市周辺での調査を平成24年9月27日~10月3日にかけて行った。タバコ市近辺の沿岸調査海域に設定したLagonoy湾(13°35′N,123°45′E)における環境データを回収してその年変動を調べた結果、表面海水温、降雨量、日長の周年変動は、それぞれ28.00-30.98℃、29.6-54.7mm、11.21-12.53hourであった。これをもとにシモフリアイゴとゴマアイゴの生殖活性の変動と環境要因との関連を調べた。その結果、シモフリアイゴの産卵期(3月~6月頃)には表面海水温、降雨量、日長とも増加していたが、このうち日長との間に低いながら相関が認められた。一方、ゴマアイゴの産卵期はいずれもこれらの環境要因との間での相関関係が認められなかった。 調査海域においてシモフリアイゴの産卵期に月齢に従って魚のサンプリングを繰り返していたところ、産卵期後半には、その年の産卵期前半に産まれたと考えられる小型個体(概ね体長で14cm)が産卵群として加入していることが再確認された。これらの個体の卵巣内には成熟途上の卵母細胞が多数組織学的に観察され、産卵個体として加入していた。この結果は、シモフリアイゴは産卵後2ヶ月で成熟して月周性の産卵を繰り返す可能性を示すものであった。本年度計画していた沖縄においてのシモフリアイゴの早期成熟実験は、幼魚の捕獲が出来なかったことで断念した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)