2011 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンケア農業のアウトカム評価におけるQOL実証研究
Project/Area Number |
22405031
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 市夫 帯広畜産大学, 名誉教授 (70125384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 芳之 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60231015)
倉持 勝久 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00091546)
小池 正徳 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00205303)
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Keywords | グリーンケア / 生活の質(QOL) / 人間-植物相互作用 / 多機能性農業 / 多元相関農場 |
Research Abstract |
1.国内のグリーンケア農業の実証研究 全国の認証酪農教育ファームにおけるグリーンケア農業の実証研究では、次の4点を明らかにした。すなわち(1)酪農教育ファームの約7割がグリーンケアに関心を抱き、その4割がグリーンケア供給を実践していた。(2)そこでのグリーンケアのクライアントは、情緒不安定な方、自閉症、知的障害者、ニートなど多様であった。(3)QOL代理人評価によると、グリーンケアのアウトカムとして情緒的安寧が最も多くの農場で評価された。(4)身体的健康の改善と労働・生産活動の改善の関連性があることが示唆された。しかし、情緒的安寧の改善及び経験年数階層と労働・生産活動の改善の関連性は示唆されなかった。この研究成果は「多元相関農場のグリーンケア供給」(金沢夏樹先生追悼論文編集委員会編『金沢農業経営学とその展開』95-111頁、龍渓書舎、2011年9月)である。 2.海外におけるグリーンケア農業の報告 オランダのワーゲニンゲン大学において、「Green care for multifunctional farming in Japan」を報告し、同大学のHassik教授からコメントをもらい、我々研究チームと意見交換をおこなった。 3.QOLのアウトカム評価指標研究とデータ収集 グリーンケア農業の成果指標について、信頼性と妥当性の観点から検討した。その結果、国際的な健康概念に基づいて、「身体機能」「メンタルヘルス」「社会生活・役割機能」を基本構成要素とする健康関連QOL(SF-36)を確定した。昨年に引き続き、健康関連QOL(SF-36)に関するデータ収集を、北海道・余市町及び栃木県・宇都宮市の若者福祉施設で実施した。両施設におけるケアユーザー人数が少なく、統計解析のためには、継続してデータ収集を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内の有機栽培農園及び認証酪農教育ファームにおいて、グリーンケア農業の成果を確認し、我が国において先駆的学術研究成果をジャーナル等に掲載された。グリーンケアのQOLのエビデンスについては、サンプルを継続収集中であり、充分な分析はこれからである。
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Strategy for Future Research Activity |
グリーンケアのQOLのエビデンスについて、統計解析と同時に事例解析も加えて研究推進していく。
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Research Products
(1 results)