2011 Fiscal Year Annual Research Report
天水田イネ・陸稲における土壌ストレス要因と根系形質関連QTLの相互作用評価
Project/Area Number |
22405042
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山内 章 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30230303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 茂紀 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00143404)
犬飼 義明 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (20377790)
阿部 淳 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (60221727)
加藤 洋一郎 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (50463881)
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Keywords | 土壌環境 / 根 / QTL / 相互作用 / 天水田 |
Research Abstract |
フィリピンイネ研究所(Philrice)において、Line source sprinkler装置を作成した。そこで、これまでに収集、保存してきた品種・系統について、発育諸パラメータ、葉身水ポテンシャル、気孔伝導度、光合成速度、乾物重、収量の測定により、成長反応と、根系発育を評価した。これらの結果から、耐旱性の評価を行い、圃場試験用の有望系統(主としてDRS系統群)を選抜した。 乾燥や降水のパターンが大きく異なるフィリピン国内の以下の地域で、Philrice本場ならびに、以下の支場における調査、試験を継続して実施した。 1.パンガシナン州サンニコラス:天水田地帯。2.イサベラ州サンマテオ:天水田地帯。これらの地域の試験場ならびに農家圃場において、Philriceが所有している品種・系統の耐旱性と根系の機能的役割を評価した。その結果、土壌水分と硬度との間には相互作用が存在することが定量的に示され、根系発育の可塑性が大きい品種/系統が有利になる土壌環境条件の存在が示唆された。 また、名古屋大学において、共通の材料を用いて、種々の異なる土壌水分条件に対する根系発育反応を評価し、日本晴/カサラス由来の染色体断片置換系統群から、土壌水分変動条件(0から-50KPaの間)に対して日本晴と比べ明らかに適応性の高いものとして選抜した、系統47番に関して、根の可塑性などの諸形質に関わるQTLを解析し、第6染色体長腕側に根への乾物分配に関わるQTL、第12染色体短腕上に側根発育に関わるQTLを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
天候不順のため、2011年雨季作の圃場実験での,イネの生長が例年より悪く不作であった。したがって、その実験で得られるはずであった、約15品種/系統について、今年、繰り返して実施する必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、2012年、2013年とも、雨季、そして可能な場合には乾季作の圃場実験を実施する。また同時並行で行っている、Line source sprinkler装置でによって選抜されてくる有望系統/品種を評価に加えていく。さらに、名古屋大学で育成しつつある、天水田イネ品種KDML105をバックグランドとした系統も評価に加える。また、圃場実験で得られた土壌水分ならびに硬度を再現しうる、容器を用いたモデル実験を、Philriceならびに名古屋大学で同時に並行して実施する。
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Research Products
(3 results)