2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22406007
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
石野 智子 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40402680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新澤 直明 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10583015)
橘 真由美 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00301325)
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Keywords | マラリア原虫 / 肝臓ステージ / 休眠体 / 寄生胞 / タイ |
Research Abstract |
三日熱マラリア対策の大きな課題は、原虫が肝細胞内で時には数年にも及び「休眠」するために、一旦治癒した後に再発することである。本課題は、三日熱マラリア原虫の肝細胞内での培養法の確立および、肝内型原虫と休眠体との識別法を開発することを目的とし、本年度は以下の研究を実施した。 三日熱マラリア原虫肝臓ステージの培養系を確立するために、まずはその評価に用いる肝内型原虫を認識するためのマーカーとなる抗体が必要となる。原虫細胞質に発現するLISP70、寄生胞膜に局在するUIS4,肝臓ステージ後期の寄生胞膜に局在するHSP1、感染肝細胞の細胞質に発現するLISP2について、小麦胚芽由来無細胞タンパク質合成系を用いて組換えタンパク質を調整した後、それぞれをマウスとウサギに免疫することで抗血清を得た。また、スポロゾイトから肝臓ステージを通して発現しているCS蛋白に対するモノクローナル抗体の産生細胞を入手し、マウスモノクローナル抗体を調整した。 さらに、三日熱マラリア原虫肝臓ステージの最適な培養条件を検討する予備実験として、ネズミマラリア原虫Plasmodium bergheiを用いて、様々な培地を検討した。その結果、RPMI培地を用いた場合に顕著に肝内型原虫の発育がよいことがわかった。一方で、低グルコース濃度のDMEMでは、発育が初期の段階で止まる休眠体様の原虫が複数見出された。これらが休眠体のモデルになりうるのか、マーカーとなる抗体で染色することで今後判定して行く。 タイとミャンマーの国境付近のメソッドのマラリア診療所、およびバンコクの研究所を訪問し、三日熱マラリア感染蚊の作成、スポロゾイト回収のための基盤を整備した。 以上の成果により、本プロジェクト遂行のための材料の準備がすべて完了した。
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Research Products
(1 results)