2010 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピンにおける若年性住血吸虫性肝線維化症発症機序の免疫遺伝学的検討
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22406009
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
菊池 三穂子 長崎大学, 国際連携研究戦略本部, 講師 (40336186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
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Keywords | 日本住血吸虫 / 肝線維化症 / フィリピン / 住血吸虫中卵抗原 / 免疫応答性 / 宿主遺伝要因 / 組織適合抗原(HLA) |
Research Abstract |
日本住血吸虫症浸淫地においては、職業上の理由から感染型セルカリアに汚染された水に接触する機会の多いハイリスク集団が存在する。この集団中には同様に暴露されながらほとんど感染しない感染抵抗性の者から頻回に感染を繰り返し、重症の肝線維化症を発症する感受性の者までが集団中には存在すると考えられている。発症には、免疫応答が最も強く関与していると考えられることから、この集団中の感受性の個体が示す何らかの特異な免疫応答性を解明することは、有効な治療法の開発へと繋がる。フィリピン・ソルソゴン州及びカガヤン州において、特に35才以下に多くの肝線維化症患者が存在することから、この若年性肝線維化症発症機序の解明のために、各地域でそれぞれハイリスク集団約200-500人を対象にコホートを設定し2年間の感染状況観察とその際の免疫応答性のモニタリングを行うことにより、ヒト集団の住血吸虫感染の際の免疫応答性の多様性と肝線維化症感受性あるいは、感染抵抗性の関連について解析する。この研究によって肝線維化症感受性をコントロールする免疫応答性やそれを選択的に刺激する抗原分子を明らかにすることを目的として研究を進行する。 本年度はフィリピン大学・寄生虫学(レオナルド教授)と、フィリピン、カガヤン地区保健センターの協力のもとに、現地調査を行った。日本住血吸虫浸淫地に居住するハイリスク集団での現地調査住民のうち感染率の特に高く、肝線維化症発症リスクも高い35才以下候補者の集団からランダムに400人を選別し、インフォームドコンセントを取得したのち、虫卵検査、超音波検査、採血を実施した。全血のRNA抽出、血清の抗体測定や循環抗原の測定を行い、検便や血液検査により感染が判明すればプラジカンテルによる治療を行った。また、若年性肝線維化症を発症している患者と発症していない患者での免疫応答性の相違について解析するために、用いる住血吸虫組み換え分泌虫卵抗原の作製を行った。この結果、12候補分子のうち、2つの虫卵抗原の発現が確認することができた。この組み換え抗原を用いて、抗原の特性を解析するとともに、患者抹消血リンパ球を用いて応答性についての解析を進める。
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Research Products
(1 results)