2012 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯熱マラリア原虫の薬剤耐性関連遺伝子の多型:地域による特徴
Project/Area Number |
22406010
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
上村 春樹 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (60184975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 聰 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00342907)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 熱帯熱マラリア原虫 / 薬剤耐性 / pfdhfr遺伝子 / pfdhps遺伝子 / pfcrt遺伝子 / pfmdr 1遺伝子 / インドネシア / ミャンマー |
Research Abstract |
有効なワクチンがまだないマラリアへの対策においては薬物療法が不可欠であり、薬剤耐性原虫の出現と拡散は憂慮すべき重大な問題である。最近アルテミシニンに対する感受性の低下したマラリア原虫が報告され、その拡大を防ぐとともに他の地域、国々でも検出できる体制を整えて、対策を講ずることが重要となっている。私たちは、薬剤に対しての有効性を知り、耐性株が出現した場合に速やかに同定する基礎として、熱帯熱マラリア原虫の薬剤耐性に関連する遺伝子の多型を解析している。 ミャンマー、イラン、インドネシアの熱帯熱マラリア原虫遺伝子の解析を行った。それぞれの国、国内における地域によって特徴的な遺伝子型を示しており、その地域に適した対策の必要性を示唆する結果が得られた。イランの熱帯熱マラリア原虫では、薬剤耐性関連遺伝子の多型の度合いが少ないことが特徴である。その中で幾つかの原虫株からこれまでに報告のない遺伝子置換が検出され、その薬剤感受性との関連を調べ報告書の作成中である。ミャンマーの原虫では遺伝子多型の度合いが大きいことが特徴である。しかし、近年の原虫株では、年ごとに多型度が減少していることが認められ、それがACT導入による効果、選択によるものであるのか調べるために、マイクロサテライトによる解析を行った。インドネシアでは多くの島々にマラリア感染地域が点在している。それら地域のマラリア感染率は様々でありACT導入時期にも違いがある。広く東西にわたって原虫サンプルを収集して遺伝子解析を行った。遺伝子によってインドネシア全体で共通した遺伝子型が認められるもの、地域ごとに特徴的な遺伝子型が認められるものがあり、薬剤による選択圧の影響が強いことを示唆する結果であった。それは、一年を通してマラリア感染のある地域では多型の度合いが大きいが、流行に季節性のある地域では多型度合いが限られていることからも支持される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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