2012 Fiscal Year Annual Research Report
アジアを席巻する新変異型、新興型ロタウイルス感染症の流行動態と蔓延の分子機序
Project/Area Number |
22406017
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小林 宣道 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80186759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲見 紋子 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10363699)
ゴッシュ ソウビック 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30597175)
漆原 範子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80396308)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ロタウイルス / 全遺伝子分節 / 遺伝子配列 / 系統解析 / アジア / 変異型 / リアソートメント |
Research Abstract |
本年度は、アジアにおける新変異型のヒトロタウイルスとして、遺伝子型G9P[19]、G3P[9]、P[10]のウイルス株、およびコモンな型G1P[8]の全遺伝子配列を解析した。タイで分離されたMc323、Mc345株のG,P遺伝子型はG9P[19]、全ゲノムによる遺伝子型はG9-P[19]-I5-R1-C1-M1-A8-N1-T1-E1-H1 と決定された。両株の遺伝子配列は互いに高い一致率を示し、かつ多くの遺伝子分節がブタロタウイルスと高い相同性を示した。従ってこれらはブタから直接ヒトに伝播したウイルスであると推定された。G3P[9]はヒトロタウイルスにおける稀な遺伝子群でイヌ、ネコのロタウイルスに近いことが知られるが、今回の研究において中国で2株のG3P[9]株が分離された。全遺伝子配列の解析の結果、これらの株はイヌ、ネコのロタウイルスに近縁であり、それらの動物を起源としていることが示唆された。P[10]はヒトロタウイルスではきわめて稀なP型であるが、インドネシアで下痢症から分離された69M、57M株は各々G8P[10]、G4P[10]型を有する。これらの株の全遺伝子配列の解析では、遺伝子分節がヒトロタウイルスの2種類の遺伝子群(WaおよびDS1)、偶蹄類のロタウイルスの遺伝子分節が組み合わされたリアソータントであることが明らかとなった。G1P[8]ロタウイルスはヒトにおける最も多い型として、世界中に普遍的に見られる。中国ではしばらく優勢であったG3P[8]が最近減少し、G1P[8]が最も高頻度になっている。今回中国武漢市で検出された最近の3株のG1P[8]ロタウイルスのゲノムを解析したところ、1株のみブタロタウイルス由来と思われるNSP3遺伝子を有していた点以外は、いずれも近年アジアに分布する主流行型のウイルスと近縁であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)