2010 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ辺境村落の乳幼児の健康状況と社会環境・保健対策の実態:コホートによる研究
Project/Area Number |
22406023
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金子 聰 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00342907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
松山 章子 長崎大学, 国際健康開発研究科, 教授 (70404233)
宮地 歌織 長崎大学, 国際健康開発研究科, 助教 (40547999)
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Keywords | 国際保健 / 疫学 / 母子保健 / ケニア / 人類学 / 途上国 / コホート / HDSS |
Research Abstract |
国際社会をあげてのアフリカの健康問題解決に向けての動きが加速している。我々のケニア辺境村落コホート地域(6万人登録)においても、政府・NGO等によるマラリア・HIV感染、5歳未満・妊産婦死亡低減に向けた対策・支援が展開されている。しかし、末端レベルでの対策実施状況の実態は、不明な点が多く、コホート調査の結果からも、乳幼児・壮年層の死亡率は依然高いことが明らかになっている。本研究では、アフリカの健康問題の中でも、特に5歳未満死亡率の低減に目を向け、同コホート地域内に、5歳未満児を持つ世帯を対象としたサブ・コホートを形成し、世帯追跡による5歳未満児の詳細な健康モニタリングと健康実態の把握、地域・世帯内での健康管理状況・受療行動の把握、さらには、健康に対する住民の行動意識と生活環境に関する社会・人類学的観察を行い、アフリカの辺境村落における5歳未満児の健康改善と死亡率低減の達成を阻害する仕組みを解明することを目的とする。 平成22年度は、以下の作業を行った。1)本課題に関する調査研究許可を得るための研究計画書の作成と同計画書のケニア中央医学研究所(KEMRI)研究審査委員会並びに長崎大学倫理委員会への申請。KEMRIにおける研究計画の承認の後、KEMRI倫理審査委員会への申請手続き(最終的に2つの倫理委員会からの研究許可を得た)。2)サブコホート地域と対象となる世帯の抽出:人口登録と動態追跡調査(Health and Demographic Surveillance System:HDSS)登録情報から5歳未満の乳幼児と妊婦のいる世帯を200程度抽出、サブコホートとすることとした。3)倫理審査の承認と共に現地調査訪問員のリクルートと教育、さらには、実際の調査と人類学的情報収集を開始した。
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