2012 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ辺境村落の乳幼児の健康状況と社会環境・保健対策の実態:コホートによる研究
Project/Area Number |
22406023
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金子 聰 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00342907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
宮地 歌織 佐賀大学, 男女共同参画推進室, 助教 (40547999)
松山 章子 長崎大学, 国際健康開発研究科, 教授 (70404233)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 国際保健 / 疫学 / 母子保健 / ケニア / 人類学 / 途上国 / コホート / HDSS |
Research Abstract |
ケニア辺境地のコホートに登録された5歳未満幼児の貧血並びに発育障害のリスクに関連した食事パターンを特定し、地域の食環境に根ざした栄養摂取モデルを構築することを目的とし、食事調査による幼児の貧血と発育障害に関連のある食事パターンと栄養素に関して栄養疫学的調査を実施した。コホートに登録されている月齢12ヶ月以上5歳未満の幼児(347名)の親権者に対し半定量食物摂取頻度調査(53 食品)を実施、主成分分析により5つの食事パターンに要約し、貧血および発育阻害(低身長)に対するリスクを関連要因も組み込みロジスティック回帰分析により解析した。その結果、貧血については、離乳期(12ヶ月~24ヶ月まで)において貧血のリスクが他の月齢に比べ高いことが明らかとなった。食事パターンによると、この月齢の幼児には、炭水化物を中心に食事が与えられている傾向が認められ、一方で、肉・魚などが含まれる食事パターンが少ない傾向が見られた。このことは、離乳期の幼児の食事に関する知識が十分ではなく、炭水化物中心の食事を与える習慣が広まっている可能性が考えられる。成長阻害に関しては、社会経済状態(SES)を反映していると思われる食事パターンを摂る幼児で発育阻害が少ない傾向が認められた。そこで、この食事パターンを社会経済指標の代替指標として解析を行った。その結果、低いSESに属すると考えられる幼児の間には、成長阻害に関連した食事パターンや要因を認めることは出来なかった。一方、SESが高いと考えられる幼児の間では、成長阻害のリスクとして、男児ならびにマラリア感染が認められた(約2倍)。今後、今回の結果を活かし、離乳期における地域の食環境に根ざした栄養摂取モデルを構築し、貧血の予防に向けた地域への影響教育プログラムへと反映させる必要がある。成長阻害については、SESの低い状況での改善に向けた取り組みを検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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