2013 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジア国シェムリアップ州小児の歯科疾患調査と予防プログラム確立に向けて
Project/Area Number |
22406033
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
岩崎 浩 朝日大学, 歯学部, その他 (90232660)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カンボジア国 / シェムリアップ / 小児の歯科疾患調査 / 予防プログラムの確立 / 齲蝕罹患状況 / 生活環境 |
Research Abstract |
カンボジアの子ども達の齲蝕罹患状況や食習慣の現状を把握し, その予防対策の検討を経年的に実施することにより,環境に伴う齲蝕・歯肉炎発症因子の解明, 齲蝕・歯肉炎予防に貢献することを目的として4年間調査を実施した。初年度,2年目はシェムリアップ州の郊外と市内で調査を実施し,3年目はカンボジアの首都の状況を把握するためプノンペン市内にて調査を実施した。対象者は3歳, 5歳および12歳の約2,000名の小児に対して口腔内診査および生活環境に関するアンケート調査を実施し,その結果をまとめたところシェムリアップ郊外と市内での齲蝕罹患率や環境要因での差は認められなかった。また,シェムリアップとプノンペンとの齲蝕罹患率についての差は認められなかった。カンボジアの小児の齲蝕罹患率は本邦に比べ非常に高い傾向が認められ, 処置歯率は極めて低い傾向が示された。また,歯垢の沈着が著しい小児が多数認められ, 歯磨き習慣が皆無に等しいことが示唆された。その結果を基に今回からはシェムリアップの小学校の低学年児童400名を対象に幼若永久歯の齲蝕予防を目的とした刷掃指導とフッ化物の応用を2回にわたり実施した。その評価のための調査を次年度実施し,分析結果を考察した上で,予防プログラムの確立を目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的はシェムリアップ州の小児の齲蝕状況を把握することであったが,シェムリアップ市内と郊外での齲蝕罹患状況はほぼ同様であったことから調査開始3年目には首都プノンペン市内の状況を把握する目的から調査を実施した。その結果からは本邦に比べ齲蝕罹患率が高い傾向が示された。昨年度からは齲蝕予防の方策として刷掃指導とフッ化物の応用を開始し,次年度に齲蝕予防効果の評価ならびに齲蝕予防プログラムの確立を目指す予定である。 なお,未使用の研究費は論文投稿用の費用として考えていた。今年2月に論文投稿し,現在査読中のため今年度には間に合わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
過去のカンボジアの歯科疾患調査状況や結果は地域や調査者により結果が異なっていた。当初, 課題にシェムリアップ州と限定したが,調査を進めるにしたがい一地域から全土へ向けての調査が必要と考えられ,首都プノンペンの歯科疾患の現況も把握する必要性が生じたため,3年目の調査はプロンペン市内で実施した。4年目はシェムリアップの小学校の低学年や450名にターゲットを絞り齲蝕予防効果を把握するべく刷掃指導やフッ化物応用を実施した。同一小児を追跡する調査のため転校や引っ越しで対象者が減少する事は想定内であったが,1回目の対象者数が2回目の調査時には30名程度減少した。次年度最終評価時には350名は確保したいと考えている。
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Research Products
(1 results)