2011 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症患者の家族の認知行動様式に関する日韓比較共同研究
Project/Area Number |
22406036
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
半澤 節子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (50325677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 英樹 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (10315179)
ベイ ヨンジュン 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 准教授 (90396242)
趙 香花 独立行政法人国立精神, 神経医療研究センター, 研究員 (50613759)
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Keywords | 統合失調症 / 家族 / 認知行動様式 / 韓国 / 多文化比較 |
Research Abstract |
本研究は、介護家族の認知行動様式における社会文化的・制度政策的リスク要因とプロテクティブ要因を多文化間で比較検討し、社会文化的な背景要因を考慮した日韓各々の介護家族に必要な支援における課題を明らかにすることを目的とする。また、本研究における研究の問いは、(1)統合失調症患者の家族の認知行動様式に関与する変数(a.家族に起因する変数;介護負担感、家族介護意識、家族の保護義務に対する認識、家族内外の支援状況、精神疾患の理解度、b.患者に起因する変数;精神科未治療期間、他害行為の有無、急性期の問題行動など)は日韓両国で異なるのか、(2)これら変数間の関連は両国で異なるのか、(3)家族支援の課題における両国の共通点、相違点は何か、以上3点である。 平成23年度に実施した研究の成果の具体的内容は以下のとおりである。まず、平成23年度は、『韓国研究センター』の分担研究者と研究協力者(海外共同研究者;ベイ・ジュンキュ)が協力し、韓国の精神障害者家族会全国組織(研究協力機関)と連携し、精神障害者家族を対象とした調査研究により得られたデータの解析を行う。解析結果の一部について、平成22年度に実施した韓国における精神障害者の家族を対象とした調査結果を解析し、いくつかの研究報告として、学術会議での発表を行った。解析結果の一部について、2011.3.30-4.2に開催された第13回国際精神疫学会(13^<th> International Federation of Psychiatric Epidemiology; 半澤が発表),及び2011.8.25-29に開催された第21回世界心身医学会学術会議(21^<th> World Congress on Psychosomatic Medicine in Soul, Korea; ベイ・ヨンジュン氏が発表)においてOral Presentationを行った。また、韓国の横断的な調査結果について計量疫学的解析を終了し、韓国の介護家族の認知行動様式、社会文化的・制度政策的要因についてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、韓国調査の結果の解析をほぼ終了し、主な解析結果をまとめ、国際会議で発表することができたこと、また、同時期に論文投稿することができたこと、こうした状況から、順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の本研究課題の推進方策については、韓国国内の学術会議などでの報告について、ベイ・チョンキュウ、チェ・ムンピョンといった研究協力者の協力により実施すること、また、韓国のデータと我が国のデータを比較した上で、統合失調症患者の家族の認知行動様式の日韓比較を進めるとともに、共通点と相違点について、社会文化的・制度政策的要因という視野から考察し、日本語及び韓国語における報告書を作成することが課題となる。翻訳作業においては、当初の予定通り、韓国に在住の研究協力者研究分担者のベイ・ヨンジュン氏の協力のもとで進める。
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Research Products
(3 results)