2012 Fiscal Year Annual Research Report
スケール不変性をもつ一般化指数関数の数理による情報源符号化の新たな展開
Project/Area Number |
22500006
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
須鎗 弘樹 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 准教授 (70246685)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | べき乗則 / q-指数関数 / スケール不変 |
Research Abstract |
指数関数について成り立つ指数法則における積は,独立性を表す.そこで,指数関数を特別な場合として含み,かつ,べき乗(スケール不変性)をも表す一般化指数関数として,指数関数を1パラメータ拡張したq-指数関数を導入する.これは,最も基本的な線形微分方程式を1パラメータ拡張した非線形微分方程式の解として与えられる.q-指数関数に対しても先と同様に指数法則が成り立つように新しい積を導入する.これをq-積という.このq-積を用いると,ツァリスエントロピーが一意に導かれる.ここまでは,スケール不変性を有するq-指数関数から理論展開されてきたが,ツァリス統計の発展過程を振り返ると,ツァリスエントロピーを情報源符号化の限界とする情報理論が存在しても不思議ではない.これは,ジェーンズがシャノンの情報理論を背景にして,シャノンエントロピーを最大化することにより,ボルツマンーギブズ統計を再構成できることを示したことをツァリス自身が採用し成功してきたからである.シャノンの情報源符号化では,無記憶情報源を基礎にしている.ここでいう無記憶とは先で言う独立性のことである.また,無記憶情報源に対する情報源符号化の背景には,大数の弱法則がある.大数の弱法則をエントロピーで表した定理が漸近等分割性である.これらを理論的根拠にして,シャノンの情報源符号化定理が成り立つ.そこで,独立性を先に述べたq-積で拡張するには,大数の弱法則における独立性を拡張することが必要不可欠になる.しかし,この拡張は容易ではないことがわかってきた.そのために,当初の予定と大きく異なり,本研究進捗が著しく滞ることになった.(大数の弱法則における独立性の拡張は,未だ成功していない.)この問題の解決が,本分野のブレイクスルーになることは間違いない.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)