2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子ロボティクスのための反応系解析アルゴリズムの理論
Project/Area Number |
22500010
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小林 聡 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (50251707)
|
Keywords | 分子ロボティク / 化学反応系 / 平衡状態計算 / シミュレーション |
Research Abstract |
分子ロボティクスで取り扱う反応系は次の点で特徴的である. (P1)生成される分子の種類が組合せ爆発を起こす. (P2)分子デバイス自体は少分子反応系である. (P3)少分子性と多分子性が階層的に混在する. 平成22年度は(P1)と(P2)の問題を解決するためのアルゴリズムの理論を展開を試みた.その結果,分子によって生成される構造が組み合わせ爆発する場合(つまり(P1)の場合)の反応系の平衡状態計算の理論を深化させることができたのと同時に,この理論を応用して,構造が組み合わせ爆発するような反応系の近似シミュレーション手法を提案することに成功した.具体的には,RNA分子のフォールディングを近似的にシミュレーションする効率の良いアルゴリズムを提案することに成功した.また,少数分子反応系の系の状態をグラフを用いて数え上げる方法を考案し,そのグラフを用いて系の定常状態を効率良く計算できる場合があることをつきとめた((P2)の部分的解決).これらの成果は,従来は計算時間が膨大になり解析することができなかった分子種が組み合わせ爆発を起こす反応系に対して,グラフを用いた数え上げという新しい発想を導入して,その解析が可能である場合が存在することを示しており,画期的な研究成果である.
|
Research Products
(2 results)