2012 Fiscal Year Annual Research Report
分子ロボティクスのための反応系解析アルゴリズムの理論
Project/Area Number |
22500010
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小林 聡 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50251707)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 平衡状態計算 / 分子ロボット / DNA論理回路 / 少数分子反応系 |
Research Abstract |
本研究では,分子の種類が組合せ爆発を起こすような化学反応系の平衡状態を効率良く求める一般的な手法を開発してきた.そこでは,組合せ爆発を起こす分子種を,グラフを用いて数え上げるという発想を用いて,凸計画問題に帰着し,平衡状態を求めるのに必要な変数の個数を大幅に削減することに成功している.そして,この手法を,核酸の複数配列のインタラクション反応や核酸配列1分子の構造変化反応系に対する少数分子反応系の定常状態を求める問題に適用してきた. 本年度は,まず,複数の分子が反応する系において,少数分子反応系としての定常状態を求める手法を開発することに取り組んだ.特に,分子ロボットで用いる核酸配列などの生体高分子は,その構造がさまざまな形をとり組合せ爆発を起こす.さらに,そのような膨大な構造の空間に対して,少数分子性という別の組み合わせ爆発の要素が組み合わさる.本年度は,このような非常に複雑度の高い系を解析するための重要な足がかりを得ることができた.このアイデアは,核酸配列のような生体高分子の構造の空間を数え上げるためのグラフを利用して動的計画法を適用するというものである.今後は,このアイデアに基づくアルゴリズムの正当性を厳密に証明し,具体的に実装してその有効性を検証することを計画している. また,一方で,本研究計画で開発した計算手法を具体的に分子ロボティクスの回路反応に応用することも試みた.具体的に,実験研究者との連携を進めており,実験データとの整合性などを今後検討していく予定である. 本研究課題での懸案事項であった,無限次元の場合のアルゴリズムの開発については,あまり進展が得られなかった.これは,実験研究者との議論により,この種の研究の展開は,理論的な興味のみであり,無限次元の方向に研究を進めるよりは,少数分子性の方向に研究を進めるのが妥当であるとの判断を得たことも理由である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)