2012 Fiscal Year Annual Research Report
マルチコア並列処理を指向した準数値アルゴリズムと実装法の研究
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22500011
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
村尾 裕一 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (60174265)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 数式処理 / マルチコア / 並列処理 / RNS / 多項式補間 / 陰関数描画 |
Research Abstract |
本年度は、基本演算と既存算法に関する従来の研究成果に基づき、より実用的な利用法の検討とこれまでに得られた成果の対外発表を主体としてまとめを行った。 多倍長整数をRNSで表現する算法は、効率がハードウェアや処理の粒度に大きく依存するため、典型的な問題に対して適切な実装法を実証的に検討することを計画したが、ハードウェアの進展が著しいことと当該分野でも自動チューニングの気運が高まりつつあることから、多彩なハードウェアを対象とした効率化の検討はせずにいくつかの実証実験にとどめた。特に、整数計算は高性能計算では副次的に扱われてきたが、最新のハードウェアでは高性能化が実現されるようになってきていることや、その計算精度が全体の計算規模(メモリ所要量と計算時間)に大きく影響することから、効率化はある程度機械的な判定に委ねるべきであると判断した。実証実験の一例としては、行列計算をとりあげ、その結果は国際会議で報告を行った。陰関数描画を初めとしたいくつかの基本的な応用問題については、計算法の理論的な解明はほぼ終えることができたが、GPUの利用を初めとした具体的な実装法の検討は今後の検討課題となった。 また、多項式補間の独自の算法の効率化については、内在する組み合わせ爆発を伴う全解探索の問題にGPUを構成する多数のプロセッサを活用すれば一定の高速化が達成することはこれまでの実験でわかってきている。この問題は一定手数内の解の探索に等しいが、類似の問題となる Rubik cubeの最短解の探索について、GPUによる効率化の実証実験を行った。これについては、GPU関連の最大の国際会議で発表を行った。 当初予定した様々な問題についても検討を進めた結果、数理的に解決された問題でも、効果的なソフトウェアの開発には、想定したよりも多くのソフトウェア技術の開発と実装が必要なことが判明し、今後の課題として残した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)