2010 Fiscal Year Annual Research Report
命題論理の証明の複雑さに関する計算量理論からの解析
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22500012
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
垂井 淳 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (00260539)
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Keywords | 証明の複雑さ / 証明の長さ / 計算量理論 / 命題論理式に対する証明系 / ランダムCNF |
Research Abstract |
研究代表者の2007年論文[J.Tarui:Finding a Duplicate and a Missing Item in a Stream LNCS vol.4484:Proc.of TAMC07,128--135,2007]において,ストリーム計算の領域計算量に対する下界を与えるために用いた手法を拡張し,その拡張によって命題論理の証明複雑さ,特に,鳩ノ巣原理の証明複雑さに関する新結果を得ることに成功した。この新結果は以上の会議論文の結果を合わせた雑誌論文として発表する予定である。 本研究課題は回路計算量と密接な関係をもっているが回路計算量に関する研究結果として平成22年度に次の成果発表を行った。Parityを計算する最小サイズフォーミュラは本質的に一意であるという結果を代表者単著の雑誌論文として発表した。回路のサイズに対して知られている最大の下界は5nであるが,この5nより大きな下界を示すことに対する障害を特定し分析した結果を天野一幸との共著雑誌論文として発表した。コンピュテーション研究会における招待講演として,2010年夏に注目を集めたDeolalikarによるP≠NPを主張する論文に関して,論文が多くの問題を抱えていることを説明しつつこの論文のアプローチの可能性と限界について解説した。
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