2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500013
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 俊彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30212012)
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Keywords | アルゴリズム / 数理工学 / 離散構造 / フロアプラン / 符号化 |
Research Abstract |
本研究の目的は3次元VLSIのレイアウト設計における3次元フロアプランに対する数理的基盤を与え、レイアウトアルゴリズムの開発に貢献することである。 これまで2次元フロアプランモデルを多層化した3次元フロアプランモデルに対する数理の解明と符号化を試みたが、研究開始後に判明した多層化の困難を克服するまでには至らなかった。 しかしながら、平成23年度は多層フロアプランの基礎となる2次元フロアプランに対する成果を得ることができた: 1つ目は2次元フロアプランとして広く知られているスライス構造フロアプランの列挙アルゴリズムを与えたことである。このアルゴリズムはすべてのスライス構造フロアプランを重複も漏れもなく、1つあたり定数時間で列挙することができる。 2つ目は2次元フロアプランの1つである矩形分割の数を与える簡明な漸化式を導出したことである。特にその数はBaxter Numberと呼ばれており、これまでに知られている漸化式や公式は複雑なものであった。さらに、その値を計算するアルゴリズムも与えることができた。この結果はフロアプランの数理が単にフロアプランにとどまらず、数学の他の分野にも貢献することを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は2次元フロアプランに対する複数の結果をえることができたが、最終目的はあくまでも3次元フロアプランに対する結果を得ることである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は多層モデルでない3次元フロアプランモデルの確立を行う。 前年度までの研究から2次元フロアプランから得られたような数理的な深みのある結果を得るには、多層モデルでない(純粋な)3次元フロアプランモデルを対象とした方がよいと思われる。 具体的には直方体分割の部分クラスを対象とする符号化とそのアルゴリズムを目指す。
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