2012 Fiscal Year Annual Research Report
表現を通じた、空間や図形の計算的構造及び関連したフラクタル等の構造の研究
Project/Area Number |
22500014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
立木 秀樹 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (10211377)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2015-03-31
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Keywords | 実数計算 / 位相空間論 / 力学系 / プログラミング言語理論 / ドメイン理論 |
Research Abstract |
ボトム入り文字列を入出力する形式計算 XPCF を定義した。この計算は、1文字とばした文字列アクセスと拡張された条件分岐を基本演算としてもつ。XPCF で実数上の足し算、掛け算といった基本的な関数が表現可能であること、XPCFがドメイン意味論に対して adequacy を満たすこと、XPCF は PCF に PIF を加えた計算と PCF の型の上では表現能力が等しく、ボトム入り文字列型に対しては、意味領域の計算可能な要素が全て表現できることなどを示した(寺山慧氏との共同研究)。proper dyadic subbase を持つ位相空間とそれから導出されるドメイン表現の関係について調べた。表現に用いるドメインの極限要素集合 が極小元を持つために位相空間が満たさなくてはならない条件を示し、正規空間では空間が極限要素集合の中の極小元がなす集合の中に埋め込まれること、コンパクトハウスドルフ空間では空間が極限要素集合のレトラクトになるように埋め込まれることなどを示した(塚本靖之氏との共同研究)。full-folding map の力学系に関する研究もすすめた。二次有理関数のなす力学系との semi-conjugacy を示し、それと二次有理関数の Julia set がもつ性質を用いることにより、independent subbase を導出する full-folding map の特徴づけに関する部分的な結果が得られた(山田修司氏、竹内泉氏との共同研究)。その他に、離散的な力学系であるセルオートマトンをペンローズタイリング上で行った時の挙動について調べ、3状態グライダーの構成などの結果が得られた(塚本靖之氏、宮崎雄平氏との共同研究)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラミング言語理論、力学系、ドメイン表現などの複数の分野で結果を出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今までに得られたそれぞれの結果を論文にまとめ、さらに、新しい結果を導きたい。
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