2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500018
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
斎藤 明 日本大学, 文理学部, 教授 (90186924)
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Keywords | グラフ / 禁止部分グラフ / 誘導部分グラフ / 連結グラフ / 2-連結グラフ / 完全グラフ / スター / パス |
Research Abstract |
連結グラフの集合Hに対し、Hのどの要素も誘導部分グラフに持たないグラフはH-フリーグラフとよばれる。与えられたグラフの性質Pに対し、「有限個の例外を除き、任意のH-フリーグラフは性質Pを満たす」という命題を満足させるHを決定する問題は禁止部分グラフの問題とよばれ、グラフ理論において活発に研究されている。ところがもしH-フリーグラフ全体の成す集合が有限集合になると、上記の命題はPによらず真となり、特定の性質Pに何ら知見を与えない。すなわちこのようなHは禁止部分グラフの研究において雑音となる。こうした雑音は予め除去しておくことが望ましい。本研究はこのような有限集合を生成する集合Hの特定を目的としている。本年度は最も簡単な状況である連結グラフのクラスの中で問題を考え、以下の定理を得た。 定理 連結グラフの集合Hに対し、連結なH-フリーグラフ全体の成す集合が有限集合となるための必要十分条件は、Hが完全グラフ、スター、パスを含むことである。 この定理は連結グラフのクラスの中で問題を完全に解決している。次年度はより本質的かつ困難な2-連結グラフのクラスの中で問題に取り組むことを予定しているが、本年度の研究により、所望のHは完全グラフとスターを含まなければならないことまでは突き止めた。連結グラフの場合と異なりパスは必ずしも必要ではないことも突き止めたので、次年度はパスの代替となるグラフの探索が主要な目標となる。
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