2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトウェア開発プロセスにおける細粒度データ解析システムの開発
Project/Area Number |
22500027
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
飯田 元 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (20232126)
|
Keywords | ソフトウエア開発効率化・安定 / 可視化 / 情報システム / ソフトウェア学 / リアルタイムマネジメント |
Research Abstract |
本研究では,細粒度レベルのソフトウェア開発者の行動パターンを形式的手法を用いて解析し評価することで,個人およびチーム規模でのソフトウェア開発プロセスの自動的な分析・評価を行うシステムを開発することをも汽笛としている.23年度は22年度に実施した特定ソフトウェアの保守プロセスを対象としたプロセスモデルの検討と分析ツールの試作の成果を元に,以下の3つの分析を行なった 1)FileZillaおよびWxWidgetsプロジェクトを対象としたデバッグプロセスと品質との関連の分析 22年度に試作した分析ツールを開発リポジトリに対して適用し,保守フェーズにおけるバグ追跡システムのログデータを用いた実開発プロセスの振舞と有限状態遷移モデルと実際の間の照合を行い、個々の障害除去プロセスの細粒度における特徴(繰り返し修正が行われる,長期にわたって作業が滞る,規定された手順を逸脱しているなど)を定量化したメトリクス、および、障害除去のために施されたソースコードの修正内容の複雑度やプログラムスライシングに基づく規模などの定量的メトリクスと,最終的なソフトウェアの品質との間の相関を調査した。また、分析システムとしてのスケーラビリティの検証を行い,必要な改修と手順の大自動化を目的とした分析システムの概要設計を行なった。 2)Columbaプロジェクトを対象としたリファクタリングプロセスと品質との関連の分析 これまでの手法に加え、SZZアルゴリズムやUMLDiffアルゴリズムを応用することで、ソフトウェアのリファクタリングが品質に及ぼす影響をプロセスの観点から分析した。予備的な知見として、リファクタリングによりその後の開発プロセスにおける欠陥導入率が下がる傾向を現象的に確認した。 3)ある大学の教務システム開発プロジェクトを対象にしたプロセス複雑度と品質との関連の分析 プロセス内で派生した微細プロセス群をもとにした複雑度メトリクスとそれに基づいて組織固有の品質予測モデルを構築するモデルを構築する手法を提案し、当該プロジェクトのデータによる評価を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リファクタリング、プロセスの複雑さを示すメトリクスなどを新たに提案できている。また、より大規模な開発プロセスへの適用やリファクタリングや開発工程全般を適用対象に広げるなどにより、提案技術の現実性向上に成功している。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向けて、これまでの提案内容をシステム的に統合することと、それらの有効性を示す為の実証実験の積み重ねに引き続き取り組む。またこれらの成果について改めて論文化を行ない、国内外で発表を行なう。
|
Research Products
(3 results)