2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトウェア開発技術者育成PBLのためのモデル駆動型要求分析支援ツールの研究
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22500033
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
松浦 佐江子 芝浦工業大学, デザイン工学部, 教授 (10348906)
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Keywords | ソフトウェア工学教育 / 要求分析 / Unified Modeling Language / Model Driven Development / Project Based Learning / オブジェクト指向開発技術 / ソフトウェア開発技術者教育 / モデル検査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、産業界において求められる高品質なソフトウェアを効率よく開発するためのモデル駆動開発を取り入れたユーザの要求を正確にモデリングするための要求分析手法を確立し、その支援ツールの提供によるソフトウェア開発技術者育成PBLを研究開発することである。本要求分析手法では、サービスへの要求を振舞い・データの構造と具体値といった観点からモデル化し、最終的なプロダクトを模した具体例を含むプロトタイプ(HTMLで定義されたWebページ)により、顧客および開発者が、最終プロダクトに近い形で要求の満足度を確認するものである。今年度は、以下の3つの方向から本要求分析手法ならびにシステム状態の検証方法の研究を行った。 ●大学院授業におけるモデリング演習で、開発者の役割をグループで実施することにより、要求分析モデルを分担して開発し、クラス図をベースに、プロトタイプを用いながらその合意を得る方法を検討した。 ●本要求分析手法をAndroidアプリケーション開発に適用し、これまでのPCとは異なるアーキテクチャへの要求分析手法の適用可能性を検討した。現状のモデルをプロトタイプに解釈する際に、Android特有のユーザインターフェース要素を考慮することで本モデルが要求仕様として有効であることと、早期にスマートフォンやタブレットといった多様なインタフェースをもつアーキテクチャの使用性を議論することの重要性が確認できた。また、要求分析モデルから、実装までをシーケンス図を用いた系統的な設計方法により、手戻りなく実現することができた。 ●システムの状態の検証ツールの一例として、モデル検査ツールを用いた要求分析モデル上のデータライフサイクルに関する検査方式を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学院授業への適用とその結果については13に記載した論文での発表を行っている。また、13の研究発表にあるように、モデリング手法のAndroidアプリケーション、セキュリティ要求分析、組込みシステムへの適用を研究し、学会発表を行うに至っており、ソフトウェア開発技術者育成PBLの分析および設計は実施できていると考える。支援ツールの試作は行っているが、授業に適用するためには、さらなる精査が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
支援ツールのテストと授業への適用方針を検討する。要求分析モデルから生成されたプロトタイプを用いて、システムへの要求のゴールを満たしているかを、開発経験年数の異なるグループでレビューを行い、その比較を行うことで、初学者への要求分析モデリングの指導方法を検討する。これらの検討を踏まえ、これまでの研究成果をモデリング教育の教材として試作し、授業に用いる予定である。
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Research Products
(17 results)