2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500034
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
滝本 宗宏 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (00318205)
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Keywords | 高位合成 / コード最適化 / コンパイラ / 並列化 / FPGA |
Research Abstract |
平成23年度は,昨年度の成果である要求駆動型部分無用コード除去(以降,DDPDEと呼ぶ)の論文を執筆し,論文誌に投稿するとともに(掲載済),次の新しい2つのコード最適化を提案し,コンパイラ共通基盤COINS上で実現した. 1.PREに基づく大域スケジューリングの拡張 2.大域ロード命令集約 以降で,実現したPREに基づく大域スケジューリングの拡張と,大域ロード命令集約について詳しく述べる. 1.PREに基づく大域スケジューリングの拡張 PREに基づく大域スケジューリングは,補償コードの挿入を含めて有効なスケジューリングが可能かどうかをデータフロー解析し,その結果を基にプログラムを変形する手法であり,同時にスケジューリングで生じる冗長性を除去したり,ループ内で依存する命令をスケジューリングを行ったりすることができる.本拡張では,スケジュール先に,可能性のあるすべての式を配置し,PREを適用することで,スケジュール元の選択順序によらず,並列にスケジューリングすることを可能にした.本手法をCOINS上に実現し,SPECベンチマークで,その有効性を確認した. 2.大域ロード命令集約 同じ配列への参照が近くに来るようにロード命令を並べ替えることで,キャッシュのヒット率を向上させる手法を提案した.本手法は,単に同じ配列への参照を近くに寄せるだけでなく,なるべく元の位置に近い場所を移動先とすることで,ロードされた値を格納する一時変数の生存区間を短くし,レジスタスピルを低減する効果をもつ.本手法をCOINS上に実現し,SPECベンチマークで,その有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非メモリアクセス領域を関数として抽出する部分は,まだ実現していないものの,メモリアクセスを低減するための手法は,拡張および新規提案ともに実現できており,おおむね順調に進んでいると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,ループ内の配列アクセスを広範囲でレジスタに貴き換えるスカラー置換の実現を行うとともに,一連のコード最適化の適用結果に基づいて,非メモリアクセス領域を関数として抽出する手法を実現する予定である.
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Research Products
(3 results)