2010 Fiscal Year Annual Research Report
ケイリーグラフにおける耐クラスタ故障経路選択アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
22500041
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
金子 敬一 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20194904)
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Keywords | アルゴリズム / 計算機システム / ディペンダブル・コンピューティング / ネットワーク |
Research Abstract |
平成22年度は,ケイリーグラフの一種であるパンケーキグラフP_nとハイパキューブQ_n,およびこれらから派生した焦げたパンケーキグラフBP_nと完全階層型ハイパキューブHHCを中心に経路選択アルゴリズムの開発を行った.今年度における第一の成果は,BP_nにおける耐クラスタ故障の1対1経路選択アルゴリズムを開発したことである.このアルゴリズムは,BP_nにおいて,直径3の故障クラスタが高々n-1個存在しても,任意の非故障2頂点間に長さ高々2n+10の非故障経路を時間計算量O(n^2)で構成することができる.また,これに付随して,BP_nにおける耐故障の1対1経路選択アルゴリズムを開発した.このアルゴリズムは,高々n-1個の故障頂点に対して,任意の非故障頂点対間に,長さ高々2n+4の非故障経路を時間計算量O(n^2)で構成する.さらに,次数m+1のHHCにおいて,目的頂点集合Dに対して,O(|D|m2^m)時間の1対多の素な経路選択アルゴリズムを開発することにも成功した.このアルゴリズムの開発に付随して,Q_nにおける1対多の素な耐故障経路選択アルゴリズムを開発した.このアルゴリズムは,Q_nにおいてf個の故障頂点が存在するとき,任意の非故障頂点からk(≦n-f)個の非故障頂点に,長さ高々n+k+4の素な経路を時間計算量O(n^2)で構成する.P_nにおいては,高々2n-1(n-1)!(2n-3.5)個の頂点からなる自明でないフィードバック頂点集合を求めることに成功した.これにより,P_nにおけるライブロックの検出が容易になった.その頂点数を減らすことが今後の課題である.
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Research Products
(5 results)