2011 Fiscal Year Annual Research Report
反復型数値計算における収束過程の可視化による高速化支援
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22500044
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
森 眞一郎 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20243058)
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Keywords | 可視化 / 超高速情報処理 / ハイパフォーマスンスコンピューティング / 計算物理 / ユーザインタフェース / リアルタイム処理 / 並列・分散処理 / インタラクティブ・スーパーコンピューティング |
Research Abstract |
[タイルドディスプレイを用いた複合可視化システムの構築] 平成22年度に作成したタイルドディスプレイシステムと、反復計算過程の多次元可視化システムを連携し、収束過程の残差マッピング結果を高精細タイルドディスプレイに表示するシステムを構築した。また、計算過程の対話的な実時間解析を可能とするため、シミュレーション実行モジュールと解析支援モジュール(可視化モジュール)を分離するとともに、非同期インタラクションを可能とした。 [解くべき問題の物理現象と対応付けた多次元可視化による現象解析支援] 解くべき問題の物理現象を表現する3次元CGモデルが与えられた場合、残差分布等を対応付け3次元空間上での空間的広がりを俯瞰するための解析支援システムを構築した。また、従来用いられてきた残差ノルムの時系列可視化と同時に解析可能とすることで、時空間併用型の現象解析支援を可能とした。時空間併用型の解析支援については、解くべき問題の構造情報が与えられない場合にも、係数の絶対値を考慮したシティマップへの残差マッピングとの併用を可能とした。 [反復計算過程の多次元可視化によるデータマイニング] 収束過程での残差拡散の様子を解析する手法として、係数行列をグラフ表現と見なして係数行列の非ゼロ要素をグラフのエッジと考えた時に、ある特定の変数に注目した時の残差分布を表現する方法としてコーンツリーを用いた残差分布の可視化を行うモジュールを開発した。 また、注目領域とそれ以外の領域で収束条件を変えることで、系全体での残差ノルムの値自体は等しくても、注目領域内での残差を低く抑えるとともに実行時間も短縮できることが確認できた。この性質を利用して対話的に注目領域を指定する方法の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
収束過程の可視化を支援するシステムの開発自体は順調に進んでおり、解析のための多様な可視化情報を提示できるようになっている。また、このシステムを使った解析の結果、単なる数値的な収束以外の「質の良い収束」という新しい評価軸による高速化の可能性が見えてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、大規模シミュレーションとの連携や、インタラクティブなパラメータ変更による収束の加速等に関する研究をすすめていく。
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