2012 Fiscal Year Annual Research Report
反復型数値計算における収束過程の可視化による高速化支援
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22500044
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
森 眞一郎 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20243058)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 可視化 / シミュレーション工学 / ハイパフォーマンスコンピューティング / 超高速情報処理 / ユーザインタフェース / 並列・分散処理 / リアルタイム処理 / インタラクティブ・スーパーコンピューティング |
Research Abstract |
[大規模並列計算機上の反復計算ソルバとの連携およびフィードバック手法の検討] 数値シミュレーションを行う大規模並列計算機と可視化支援のための可視化用計算機を分離し計算のスケーラビリティと視覚解析の対話性を両立する解析支援環境を構築した。また、実行中の数値計算過程を実時間モニタリングし、シミュレーションの目的に応じた「実用的な収束」判定の手段をユーザに提供するための対話型ユーザインタフェースを開発した。具体的にはGUIを用いて問題の物理空間上の注目領域を対話的に指定可能とすることで、シミュレーション空間の境界周辺等の実用上重要ではない空間に対して収束判定条件を緩和し、注目領域に対して「実用的な収束」を加速できる可能性を示した。また、計算と可視化を分離したことで様々な反復型数値解法に対して収束過程の可視化が可能となった。その一例として、GMRES法におけるリスタートタイミングの影響を、反復回数だけではなく実行時間を考慮して解析することが可能となった。 [反復計算過程の多次元可視化によるデータマイニング] 我々が既に提案した残差拡散制御は必ずしも全ての条件において普遍的な有効性を示す訳ではない。本年度は残差拡散制御が逆に収束の障害となる例を見つけ収束過程でどのような現象が発生しているかを多次元可視化により解析した。その結果、不適切な境界条件や初期条件の設定を行うと残差の震動現象が発生し収束の妨げとなる状況を視覚的に発見することができた。また、CG法においては収束過程において残差分布の時系列に特異な周期構造が現れる事例を発見した。さらに、CG法とGMRES法では収束までの反復における残差分布の時系列特性が全く異なることを視覚的に示すことができた。当初目標にない発展的な研究課題として、これらの視覚的解析結果に基づく高速化アルゴリズムの検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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