2010 Fiscal Year Annual Research Report
再構成可能なディジタル波形信号合成器の開発とその設計自動化に関する研究
Project/Area Number |
22500050
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
永山 忍 広島市立大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10405491)
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Keywords | ディジタル波形信号合成器 / 再構成可能デバイス / 数学関数回路 / 多値決定グラフ / 設計自動化 / 高位合成 |
Research Abstract |
再構成可能なディジタル波形信号合成器とその設計自動化ツールの開発を最終目的とし,平成22年度はディジタル波形信号合成器のプロトタイプを開発するために,以下の研究を行った. 1. 新しい数学関数回路を用いた合成器の開発および評価実験:再構成可能な波形信号合成器を開発するために,波形信号合成器に適した再構成可能な数学関数回路の設計から研究に着手した.これまでに開発された波形信号合成器に用いられている数学関数回路の多くは,三角関数だけを対象に設計されており,複雑な波形信号を生成するには,複数の数学関数回路を組み合わせて(波形を合成して)所望の波形を生成する必要があった.しかし,本研究で設計した数学関数回路は,新たに提案した区分的多値決定グラフを設計に用いることで,複雑な波形信号でも直接実現することができるため,波形信号合成器に適した回路となっている.FPGAを用いた評価実験により,提案回路は,既存の再構成可能な回路に比べ,わずか数パーセントのメモリサイズで多様な波形信号を生成できることが確認できた. 2. 再構成可能な合成器の考案およびプロトタイプ開発:既存の波形信号合成器では,三角関数回路が使われていたため,多様な波形信号を生成するためには,フェーズ切替器や信号変換器などの様々な構成要素が必要となり,これらを全て再構成可能にすると回路面積や速度の観点から,非常に効率が悪かった.しかし,本研究で提案した新しい数学関数回路を用いることで,構成要素を削減でき,効率的な再構成可能波形信号合成器の開発に成功した.
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