2011 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク同定における確率論的手法と決定論的手法の相補的融合
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22500053
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
塩田 茂雄 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70334167)
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Keywords | 無線LAN / 待ち行列 / マルコフ性 / インタネットトポロジ / バイナリセンサ / 形状推定 / IEEE802.11e |
Research Abstract |
1.IEEE802.11ベース無線LANのクロスレイヤ性能評価法:昨年度に引き続き,端末のバッファ内に形成されるフレームの待ち行列とCSMA/CAの挙動の双方を考慮しながら,IEEE802.11ベース無線LANの効率を評価する性能モデルを提案し,電子情報通信学会論文誌において発表した.また,提案モデルを802.11eへ適用できるようにモデルを拡張した. 2.複雑ネットワークの確率論的モデル:複雑ネットワークのトポロジを確率論的にモデル化するためにマルコフ性の概念を提唱した.また,マルコフネットワークの性質を解析するとともに,現実に存在するネットワークであるインタネットトポロジのマルコフ性について定量的な分析を試みた.途中結果を国際会議で発表した. 3.バイナリセンサによる対象物形状同定:監視領域に多数配置されたバイナリセンサ(対象物の存在の有無のみを検知・通知するセンサ)の反応から監視領域を通過する対象物の形状を推定する2種類の手法について検討を行った.一つは,各バイナリセンサの位置が不明のまま対象物の周囲長と面積を同定するものであり,電子情報通信学会論文誌に発表した.もう一つは,各バイナリセンサの位置を同定した上で,対象物のおよその形状を把握するものであり,電子情報通信学会の研究会において途中結果を発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定よりはやや無線よりの内容にシフトしているが,これは昨今の技術動向を反映してのことである.いくつかの成果は既に学術論文として掲載されており,順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
無線LANの性能評価モデルは現在手掛けているIEEE802.11eの評価モデルを完成させた後,無線マルチホップネットワーク用の性能評価モデルに拡張する.複雑ネットワークの確率論的モデルについては,平成21年度に実施した決定論的モデルとの融合を図るとともに,インターネットトポロジ以外の現実のネットワークへの分析・適用を試みる.バイナリセンサによる対象物の形状同定は,速度センサ・加速度センサの利用,非凸型対象物への適用などの発展を模索する._
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