2011 Fiscal Year Annual Research Report
データ独立性の概念を実現する分散情報共有技術に関する研究
Project/Area Number |
22500057
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春本 要 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50263215)
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Keywords | 情報共有 / データ独立性 / P2Pネットワーク |
Research Abstract |
本研究課題は、インターネットという超分散環境において、データ独立の概念を実現し多様な情報源から発生する情報を多目的に活用できるようにするためのデータ共有形態およびサービス構築形態を提案し、その実現可能性を示すことを目的としている。平成23年度は、本研究課題に関して以下の成果を得た。 まず、平成22年度までに検討を進めたRDFによるデータ表現を基盤としたデータ管理エージェントの設計を行った。特に、センサから出力されるデータを管理するセンサエージェント、および、センサエージェントから登録されるデータを管理するデータ管理エージェントについて、センサデータのコンテキストとしての有効活用を考慮した管理手法の検討を進めた。具体的には、センサが設置された位置に基づく情報共有だけでなく、センサの有効範囲も考慮し、さらにセンサデータから得られる高レベルのコンテキスト情報も効果的に共有できるような、R-treeを基礎とした分散型センサデータ管理手法の設計を行った。本手法はセンサデータを単純に共有する手法よりもスケーラビリティに優れた手法である。さらに設計したセンサデータ管理手法をPIAXエージェントとして実装し、その動作検証を行った。 また、データ独立性を実現するために必要となる、データ生成者によるアクセス管理機構について検討を行った。アクセス権の設定については、個々のRDFデータにアクセス権を設定するのは煩雑であるため、ある程度まとまった単位でアクセス権を設定できるよう、RDFデータのクラスや条件を用いたアクセス権指定法を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度はデータ管理エージェントの実装だけでなくサービスエージェントを実装する計画であったが、センサデータの共有においてスケーラビリティの問題が発生することが明らかになったため、センサデータの効果的な共有・管理手法についての研究開発が必要となり、サービスエージェントの実装まで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
インターネット上でのデータ独立の概念の実現という本研究計画の目的を、多様なサービスエージェントの実装によって実証することを計画していたが、研究を推進する中でセンサデータをスケーラビリティを保ちながら効果的に取り扱うことが重要性が明らかとなったため、特にセンサデータをデータ独立性を実現しながら効果的に共有する手法について研究を推進する。
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