2011 Fiscal Year Annual Research Report
大量データ通信を可能とするスケーラブル無線メッシュネットワークの研究
Project/Area Number |
22500059
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
舩曵 信生 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70263225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 透 岡山大学, 大学院・自然科学研究所, 准教授 (50304332)
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Keywords | 無線メッシュネットワーク / MIMO / スマートアンテナ / 固定バックオフ時間切替法 / スマートアクセスポイント / アルゴリズム / 最適化 / 帯域制御法 |
Research Abstract |
本研究では,GWクラスタ・WDSクラスタの2階層で構成する「スケーラブル無線メッシュネットワーク(Wireless Internet-Access Mesh Network : WIMNETと略称)」のアーキテクチャ・プロトコル・設計最適化に関する研究を進めている.GWクラスタは,GW(インターネットゲートウエイ)を共有するAP(アクセスポイント)の集合である.サービスエリアの大きさ・ホスト数に応じてGWクラスタ数を変化させることでスケーラビリティを実現する.GW間は,有線WiMAXなどの広帯域通信を行う.各GWクラスタは複数のWDSクラスタで構成される.各WDSクラスタは1つ以上のSAP(Smart AP)と複数のCAP (Conventional AP)で構成され,互いにWDS無線通信を行う.SAPは,複数NICやスマートアンテナによる広帯域WDSクラスタ間通信,GW機能,ホスト認証,DHCP,Webキャッシュなどのインターネット接続のためのサービス機能を有している. 本年度の研究では,WIMNETでのVOIPやビデオ会議等のリアルタイムアプリケーション実現のための「予測帯域制御法」の実装と評価,各AP間リンクの必要動作時間確保による通信性能向上のための「固定バックオフ時間切替法」の実装と評価MIMOチャネル・アダプティプアレイアンテナ機能を有する「スマートアンテナ」の動作モデルの検討,そのWIMNET適用のためのWDSクラスタ分割・経路木生成・SAP選択.動作AP選択の各最適化アルゴリズムの検討を行い,ネットワークシミュレータを用いたシミュレーションにより有効性を示した.これらの研究成果は,論文誌,研究会,国際会議で報告した. 来年度の研究では,各提案法のSAPへの実装,テストベッドの開発とそこでの評価実験を行い,本研究のまとめを行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究では,WIMNETの通信性能向上を目指し,SAPへのスマートアンテナ適用のための動作モデル,WDSクラスタ分割・経路木生成・SAP選択・動作AP選択の各最適化アルゴリズムの提案を行った.また,リアルタイム通信に必要な通信帯域を予測し,それに基づいて通信制御を行う「予測帯域制御法」と,2種類の固定バックオフ時間をリンクの動作率に応じて切り替える「固定バックオフ時間切替法」を実装・評価した.それらの成果をジャーナル2件,国際会議7件,研究会5件,全国大会2件で発表した.なお,SAPの実装も予定していたが,使用ソフト・ハードの調査のみに終わり,次年度の課題となった.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の課題は,SAPの実装とそれを用いたテストベットの開発,評価実験である.SAPの実装に関しては,使用するソフトウエア,ハードウエアの調査を終えており,今後,順次,必要なプログラムを作成する.SAPの実装完了後,複数のSAPと市販のAPを組み合わせたテストベッドを作成し,小規模な無線メッシュネットワークでの通信実験を行う.
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Research Products
(16 results)