2010 Fiscal Year Annual Research Report
目標値の設定ができる省電力型無線LANシステムに関する研究
Project/Area Number |
22500061
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡村 耕二 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70252830)
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Keywords | 無線LAN / 省電力 / SLA (Service Level Agreement) / 無通信時間 / 802.11n / 数値化 / ネットワーク運用 / シミュレーション |
Research Abstract |
省エネルギー運用によって消費電力は削減されるが、利用者の利便性は下がる。本研究の目的はこの利便性を数値化し、利用者の利便性に応じた省電力運用を行なえる無線LANシステムを研究開発することであるが、平成22年度は、無線LANサービスの省電力運用をSLA (Service Level Agreement)に基づいて、そのモデル化を行ない、本研究の目標である「目標値の設定」が行なえる省電力無線LANシステムの提案、設計を行なうことができた。本研究では、無線LANアクセスポイントの停止タイミングについて着目し、九州大学の全学無線LANシステムの実データの履歴を用いて、利用者の利便性と電力量を数値化し、SLAに基づいて論じた。無線LAN運用において、利用者の一時的な無通信時間中でも給電しておけば、再接続は発生しないが、消費電力も増えるため、省電力運用を行なうためには、無通信時間を見極め、給電を停止することが重要である。本研究での利用者の利便性として、利用者の無線LANの無通信期間によって発生する無線LAN使用の再接続について、その無通信時間をSLAで定義した。平成22年度の研究成果によって、例えば、無線LANシステム全体の消費電力を決めれば、SLAによって無線LANアクセスポイントの停止運用における利用者の利便性を提示することが可能になった。逆に利用者の利便性を指定すれば、総消費電力が提示可能になった。また、高速無線LANである802.11nに着目して、そのバックボーン側の速度を変化させた時の省電力効果を測定し、平成23年度に行なう予定のパラメータとして通信速度を加えた無線LANシステム省電力運用方式の準備を行なった。
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