Research Abstract |
本研究は,遠隔地の在宅療養患者に安心感を与えるコミュニケーションの支援が目的であり,今年度は医療関係者,患者の情報取得技術についての研究を主として行った 医療関係者については,現場ヒアリングにより医師のコミュニケーションはバーバルなものが主であると判明したため,マイクやカルテなど既存メディアでの情報収集が可能と判断した.看護師については現役の看護師による行動取得実験を実施した.実験は患者とのインタラクションが多いものとして,バイタル測定と点滴実施行動を題材とした.結果,看護師の行動が高い識別率で識別でき,高精度な情報取得が可能であることが示唆された.今後は,個人属性によらない識別率向上を目指す.また,リハビリ分野では介護療法士・理学療法士と患者との接点が多いことが判明し,ここでのコミュニケーションも検討対象と考え,今後専門病院と共同して情報取得実験を行う予定で進めている 患者については,在宅療養患者がベッドやイスなどの上で多くの時間を過ごすことから,それらに圧力センサを装着し,行動を識別する研究を行った.結果,いくつかの患者の状態が推定できるが,不十分であることが分かった.今後は詳細な情報取得のため,他センサとの融合を検討する.また,患者の存在場所により行動が限定されることを考慮すると,場所情報も有用であると考え,屋内で使用可能な位置確認システムを試作した 加えて,患者が自発的に情報を発信できる装置を目指して,患者の制約下での操作を考慮し,ベッド自体を情報発信装置とする方法について検討した.ベッドにマイクを取り付け,ベッドの一部をタップすることで情報発信できる装置を考案した.4隅にマイクを設置したテーブルをタップすることで,音の発信位置やこする方向などを判別できる情報入力装置を試作し,基礎実験を行った 以上のように,概ね当初の研究目的,研究計画に沿って研究が進捗している
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