2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500062
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
鳥山 朋二 富山県立大学, 工学部, 教授 (00418518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦島 智 富山県立大学, 工学部, 講師 (20315831)
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Keywords | 在宅医療支援 / コミュニケーション支援 / リハビリテーション支援 / 看護支援 / 情報システム / ユビキタスコンピューティング / インタラクションシステム / 行動識別 |
Research Abstract |
本研究は,遠隔地の在宅療養患者に安心感を与えるコミュニケーションの支援が目的である.本年度は,(1)在宅医療現場における多様なコミュニケーションの洗い出しを行なう.(2)在宅医療現場において患者が見守られている感覚を得るコミュニケーションを明らかにする.(3)コミュニケーションモデルにプライバシ疎外感がある場合に,本人の意思に応じてプライバシ開示量をコントロールできるプライバシ情報アクセス管理機構について検討する.(4)上記を考慮し,患者が安心感を得ることができるシステムのプロトタイプを作成する.ことを計画としていた. (1),(2)については在宅療養患者が医療従事者とのコミュニケーションによって,確実に状況を把握され,それにあった治療計画に基づいて治療が行われているという確信を持てることが見守られ感につながることがわかった.そこで,在宅療養患者が在宅化する以前に入院状態で行われる回復期リハビリ段階で接点が多い,介護療法士・理学療法士とのコミュニケーションを検討対象とすることとした.回復期リハビリ専門病院と共同実験契約を締結し,現場での精神的ケアに関する情報収集,及びそれと同等な精神的ケアを在宅療養環境下で行うための仕組みづくりについて検討した.その結果,長期にわたり継続的に患者の行動を取得し,そこに内在する危険行動を的確に指導できるシステムが必要と判断し,試作を進めた.(3)については,ある患者の映像を他の患者の指導に用いることについては抵抗が多いだろうとの推定が医療従事者によりなされたが,確認が必要である.(4)については,在宅療養患者はベッドやイスなどの上で多くの時間を過ごすものの,その間を移動する車いすからの移乗行為やトイレへの移乗行為で危険が多いことが分かった.そこで,新たに病院で日常的に使用される車いす,及びトイレの手すりにセンサを装着する試作を行い,患者の行動が取得可能な仕組みを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定より,多くの機器へのセンサ装着が必要であると判明したためシステムの構築が長期化し,患者のプライバシ疎外度を確認する実験,及び患者の意思に応じてプライパシ開示量をコントロールできるアクセス管理機構の検討・構築が未完である.しかしながら,当初研究室での実験を経て実際の病院における実験へと移行する予定であった部分が,共同研究契約の早期締結により,直接病院での実験実施に移行できているため,今後の評価スケジュールは加速する見込みであり,全体としての計画遅延にはつながらないと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
専門病院での評価が行えるように連携を密にし,プロトタイピングと評価を同時に実施しながら進める.しかしながら,評価用に作成したセンサ付車いすは,構造が複雑でありかつ研究室内で試作したものであるため,安全性の問題から,実際の入院患者を対象に実験を行うことは実験倫理上困難であると考えられる.そこで,共同研究先の専門病院スタッフにより,患者がとり得る危険行動を模擬してもらい,それを題材として機器の構造を十分に把握した研究者がその模擬行動を再現して評価実験を行うことで研究を推進することとする.また,本年度は昨年度行えなかった実験に加えて,予定通りコミュニケーションモデルを家族まで含んだものに拡張する.
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Research Products
(13 results)