2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500062
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
鳥山 朋二 富山県立大学, 工学部, 教授 (00418518)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦島 智 富山県立大学, 工学部, 講師 (20315831)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 在宅医療支援 / コミュニケーション支援 / リハビリテーション支援 / 看護支援 / 情報システム / ユビキタスコンピューティング / インタラクションシステム / 行動識別 |
Research Abstract |
本研究は,遠隔地の在宅療養患者に安心感を与えるコミュニケーションの支援が目的である.昨年度までに,この目的を達成するためには,在宅療養患者が医療従事者によって確実に状況を把握され,それにあった治療計画に基づいて治療が行われているという確信を持てることを支援するシステムを構築するべきであることがわかった. 本年度はその達成に向けて,①把握すべき患者の治療状況の整理と治療進捗を把握するための患者行動識別部の検討,②治療進捗等を共有することにより,医療従事者,家族などの患者関係者がコミュニケーションできるシステムの試作,③コミュニケーションシステムへのプライバシ保護制御機構の搭載を行った. このうち①については,把握すべき患者の治療状況について共同実験契約を締結した回復期リハビリ専門病院の協力の下,介護療法士・理学療法士等の医療従事者と検討し,そのなかから実現可能と判断した以下の3件に決定した.A)立ち上がり行動におけるバランス情報,b)足麻痺患者の装具圧力情報,C)患者の日常行動中に生じる,車いすからのベッドやトイレへの移乗行動などの危険行動.また,昨年度までに試作した医療補助具(車いす,ベッド,トイレ)を用いて継続的に患者の行動を取得したデータから,患者の行動要素を抽出し,その組合せや組合せ制約によって,C)に示す危険行動を自動識別する手法について検討した.その結果として,行動要素ベースの識別手法を考案し特許化した.また,A)については医療機関での評価を終了した.②については,①で得られる治療状況等を共有し,医療従事者や家族などの患者関係者がコミュニケーションできるシステムを試作した.またそのシステムを試用して,健常者を対象に動作実験を実施した.また,③については②の試作システムに搭載し動作実験を行った結果,良好に動作することを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
把握すべき患者の治療状態の種類については,共有して有効を思われるものは定量的な測定が困難である場合が多く,医療従事者との検討の中でも難航したが,我々の取り組みの中で使える技術の流用等により,種類の決定とそれらを測定するための試作できた.しかしながら,この試作において搭載している危険行動の識別能力が不足しており,これについては来年度取り組む予定である.プライバシ制御機能を付加したコミュニケーションシステムについても試作が完了できた.評価については健常者でしか行っていないが,これは実際の患者への適用がないと剽悍困難であるので,計画通り来年度行う予定である.以上より,進捗は計画はおおむね順調に進展していると考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
H25年度はH24までに試作した患者の治療状態を把握する3システムについて,医療的な治療状態が把握できるかについて評価を行う.評価はまず医療従事者を被験者として行い,患者を対象にした評価に移る.すでに立ち上がりバランス測定システムについては昨年度に専門病院での医療従事者による評価を終えており,今年度当初より患者への適用を予定している.患者への適用の結果,治療状態が得られたものを対象にしてコミュニケーションシステムでの共有実験に入り,患者の見守られている感覚や安心感などを主観評価する.これらの結果をまとめて,在宅療養患者が医療従事者によって確実に状況を把握され,それにあった治療計画に基づいて治療が行われているという確信を持てるシステムを構築できたか,またそれによって遠隔地の在宅療養患者に安心感を与えることができたかについて明らかにする.
|