2011 Fiscal Year Annual Research Report
トラヒック制御の観点からの無線LANメッシュネットワーク大規模化に関する研究
Project/Area Number |
22500073
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
山本 尚生 東京都市大学, 知識工学部, 教授 (60350229)
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Keywords | 無線LAN / 無線メッシュネットワーク / トラヒック / ふくそう制御 / コンピュータネットワーク / 指向性アンテナ / ルーテイング |
Research Abstract |
A.移動端末(STA)位置管理と経路構築に関するスケーラビリティのある制御法の検討 前年度までに進めた「フラッディングを用いないことによる制御メッセージ量の大幅な削減」手法と競う方式として、ローカルなSTA移動軌跡の追跡機構とトラヒック交流特性の学習機構の導入によるフラッディング周期拡大を狙う方式を提案し、計算機シミュレーションにより大規模化時に大きな制御信号量削減効果の得られることを確認した。 B.中継ノード間無線干渉を考慮した迂回拡大型トラヒックふくそう制御法の検討 b1.引き続き面的に広がったネットワークの特性を活用する迂回ルーテイングの検討を進めた。プロアクティブに輻輳パラメータを広告している環境の上でリアクティブな経路構築を行うことにより自律的に迂回経路を構築できる方法を確立し基礎的な性能評価を行った。 b2.指向性アンテナの導入によるネットワーク大規模化への対応 面的な拡大に伴う中継ホップ数の増加を抑えて、通信品質の維持を目指す新しいアプローチである。2つの動作モード(指向性/無指向性送受信状態)をパケットレベルで(宛先ごとに)切替える新しい提案を行ない、地理的に河川などで分断されたブリッジモデルを想定した性能評価シミュレーションを進めた。(24年度では以下のC項の中で扱って行く予定) C.QoSおよびリソース効率を維持するためのオーバレイ/バイパス網適用法 上記b2で提案した2つの動作モードに各々適応した2つのプロアクティブな経路構築状態を相互にオーバレイする手法を提案し、その基本的な設計法をまとめつつある。その他、検討してきた最適化技術をセンサーネットワークへ適応することで良好な結果(省電力化等)の得られることを確認し、無線メッシュネットワークと組み合わせた広域センサーネットワークへの展開可能性を見出しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
提案してきた技術はネットワーク規模(主に中継ノード数とSTA(移動端末)数)に関するスケーラビリティをトラヒック制御の観点から拡大するものであり、特に現時点ではSTA(移動端末)数増大に関する優位性で当初の目標に比べて十分な成果が得られている。さらに中継ノード数増大に伴うネットワーク性能の向上に向けて双モードノード(指向/無指向性送信モード)の導入、自律分散型の迂回制御法などの提案がされ、性能評価が順調に進みつつある。加えて、無線メッシュネットワークとセンサーネットワークを複合した広域センシングデータ流通網の構築技術に向けた新しい方向性も芽生えつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で計画していた下記の課題A~Cの各項 A.移動端末(STA)位置管理と経路構築に関するスケーラビリティのある制御法の検討 B.中継ノード間無線干渉を考慮した迂回拡大型トラヒックふくそう制御法 C.QoSおよびリソース効率を維持するためのオーバレイ/バイパス網適用法 のうち、Aについては目標を達成しつつあり成果の整理に入り、今後は課題B,課題Cに重点を置く。特段の計画変更と問題点はないが、前述した広域センシングデータ流通網の構築技術については本研究からの新しい展開として基礎検討を進める。
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