2011 Fiscal Year Annual Research Report
P2Pシステムのための消費電力低減を考慮したピアの発見と選定プロトコルの研究
Project/Area Number |
22500074
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
榎戸 智也 立正大学, 経営学部, 准教授 (10360158)
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Keywords | 情報システム / 情報通信工学 / ネットワーク / 省エネルギー / アルゴリズム / P2Pシステム / 分散システム / Green IT |
Research Abstract |
本研究では,コンピュータ(ピア)をCPU数等のマクロレベルで分類し,各ピア上で応用プログラムを実行した場合の計算モデルと消費電力特性の関係を明確にする.この結果をもとにP2Pシステムで応用プログラムを実行する場合にシステム全体の消費電力を低減し,かつ応用プログラムの要求するサービス品質(QoS)を満足するピアの発見プロトコルと選定アルゴリズムを提案することを目的としている. 平成22年度中にトランザクション処理およびファイル転送が主な処理となる2種類のアプリケーションに対して,それぞれピアの計算モデルおよび消費電力モデルの定式化を実施した.また,これらのモデルをもとに新たな要求がピアに割当てられた場合の消費電力を推定するアルゴリズムの実装を行っている.平成23年度は,2種類のアプリケーションを対象として,プロトタイプを用いたアルゴリズムの動作検証を実施した,動作検証では,プロトタイプを用いたシミュレーションで選定アルゴリズムが机上での結果と同様に動作することを確認した. さらに,トランザクションおよびファイル転送が主な処理となる2種類のアプリケーションに対して,シミュレーション環境での提案手法の評価を実施した.各アプリケーションに対して,システムの規模(システム内のピア数,発行される要求数等)を変更し,システム全体で消費された電力量とサービス品質(応答時間等)の評価を行った.ここで,従来提案されているピアの選定手法を用いた場合と提案手法を用いた場合での総消費電力量とサービス品質を比較し,提案手法の妥当性を検証した。 最後に,前述の研究結果をもとにトランザクションおよびファイル転送の両方を実施する一般的なアプリケーションを想定し,計算モデルと消費電力モデルを統合した.次年度は,この結果を用いて一般的なアプリケーションのためのピアの選定アルゴリズ設計・実装,および評価を実施する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の交付申請書に記載した研究実施計画通り,トランザクション処理およびファイル転送が主な処理となる2種類のアプリケーションに対して,提案アルゴリズムの動作検証,シミュレーション環境での評価を実施できている.さらに,一般的なアプリケーションを想定し,計算モデルおよび消費電力モデルを統合することができている. 以上のことから,研究計画通りに進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,平成23年度の結果を用いて,一般的なアプリケーションがピア上で実行された場合の消費電力推定アルゴリズムとピアの選定アルゴリズムの実装,動作検証,およびシミュレーション環境での評価を実施する予定である. さらに,平成23年度の実験結果からピアの消費電力モデルが,当該ピアの持つ冷却装置の制御方式に大きく依存することが確認された.よって,ピアの持つ冷却装置の制御方式を考慮するよう現状の計算モデルおよび消費電力モデルを改良する.このモデルを用いて提案アルゴリズムを拡張することを研究課題として追加する。さらに,これらの研究結果を国際会議,国際論文誌に投稿する.
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Research Products
(8 results)